皆さま、こんにちは
50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0325最終回です。
1年間このコラムにお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
とりとめのないテーマで書き進めてまいりましたが、
最後は皆様にお礼の気持ちをお伝えしたいと思います
関西フィル専務理事、浜橋 元の“つれづれシリーズ”です~。
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昨年4月からスタートしたこの記念コラムも
ついに今回が最終回となります。
関西フィル50周年の年は、まさに新型コロナウイルスと
ともに歩んだ1年となりました。
この1年を振り返るとともに、今こうしてコラムを書き、
楽団が演奏会を続けられている現状に対して、
喜びと感謝の気持ちを伝えたいと思います
1年前、2月の定期演奏会を最後に関西フィルの
主催演奏会は全て中止になりました。
2年近く前から準備を進めてきた演奏会が
こんなにもあっけなく中止となるのかと、
ただただ呆然としたことを覚えています。
50周年シーズンの皮切りとなる4月定期演奏会は、
デュメイ音楽監督と藤岡首席指揮者の豪華共演を
予定していましたがこれも中止となりました。
自宅待機を余儀なくされた楽団員たちは、自宅での
リモート演奏会、保育園の園庭での金管五重奏の
ボランティア演奏などを始めました。
それが多くの方の知るところとなり、「オーケストラは大変ですね」
「頑張ってください」という励ましの言葉とともに寄附を
いただけるようになりました。心より御礼申し上げます。
マスコミの皆さんにもご注目いただき、NHK「サラメシ」の再放送は
大きな反響を呼びました。
何と言っても夜のゴールデンタイムの全国放送ですから。
オーケストラの苦境が全国に知れ渡りました。
緊急事態宣言が明け、初めての演奏会となった6月の定期演奏会は
忘れられません。
舞台上の密を避けるため編成を小さくし、間隔を空けた「試奏」を
経て迎えた本番。
2020年6月27日(土)第311回定期演奏会(指揮:鈴木優人氏)
(C)s.yamamoto
お客様の数を制限し、ザ・シンフォニーホールさんと感染対策を
工夫しながらの再開でした。
熱狂の拍手を聞きながら、大きな安堵を覚えました。
そして、大阪のオーケストラの先陣を切って、8月に
クラウドファンディングを始めました。
関西フィルが存続するための最後の手段という決意で臨みました。
記者会見に駆けつけてくださった掛布雅之さんの
「甲子園の掛布コールのような演奏が続けられるように」との言葉に
励まされました。
クラウドファンディングが順調に進んでいた8月の半ば、
お盆の最中に関西フィルに衝撃が走りました。
弁天町の練習場家賃の値上げを通告されたのです。
それから2ヵ月、移転先を探して奔走する毎日でした。
結果、門真市・ルミエールホールが受け入れてくださることになり、
11月、門真市と「音楽と活気あふれるホームタウン協定」を結びました。
30年弱、住み慣れた弁天町から先日引っ越しをしたことは
前回のコラムでご紹介した通りです。
弁天町練習場、最後の練習終了後の記念撮影、
指揮台あたりには三ツ橋敬子さんも。
結局、50周年の演奏会は、
2021年1月23日(日)第58回大阪国際フェスティバルの
「ワーグナー特別演奏会」と、2021年3月12日の
いずみホール30周年との共催コンサート、そして
2021年3月31日の「三大テノールの宴」のみとなりました。
3月31日(水)、50周年記念年の最後の最後の日です。
積もり積もったエネルギーを一気に発散させるべく
準備してまいりますので、ぜひこの演奏会にお越しください。
人生は思うようにならず先のことは読めないものですね。
この1年でわかったことがあります。
関西フィルを周囲で支えてくださる方々の熱気、
関西フィルの内部で50年間引き継がれてきた熱気、
この楽団の外と内が一体となった「熱」の渦巻きが、
日本のオーケストラの中にあって関西フィルの大きな特徴に
なっているのです。
この1年、応援してくださった皆様に心より感謝申し上げます。
さあ4月から新たな51年目のシーズンが始まります。
この1年に受けたダメージを抱えつつ、関西フィルは門真市で新たな
スタートを切ります。
これからの50年は何が待ち受けているのでしょう。
文化は、若い世代への教育とともに国の基礎体力を支えてくれるものです。
そのことを信じて私たちは前を向いて進んでいきます。
See You Again !
関西フィルハーモニー管弦楽団
専務理事 浜橋 元