昨年、開館100周年を迎えた大阪市中央公会堂。おめでとうございます
中央公会堂は1918年に「人が集う」ことを目的に建てられました。
関西フィルは毎年3月に演奏会を行っている場所で、
歴史と風格があるホールです。今年は3月だけでなく5月には
音楽監督オーギュスタン・デュメイが登場します。
関西フィルのファンの皆さまは中央公会堂を良くご存知だと思いますが、
中央公会堂をより深く知っていただこうと取材に行ってきました。
中井雅博館長と広報ご担当の西川可奈子さんにお話を伺うにつれ、
「クラシックカー」と「品格と親しみやすさ」が
キーワードということが分かりました。
「クラシックカー」
現在と100年前が所々に詰まっていることを発見できます。
「創建当初から大集会室の2階席で使用されていた木製椅子」
椅子の下にシルクハットをかけられるフックが付いています
「保存」されていますが、ちゃんと座れます
「壁に残されたまるでアートのような塗装の跡」
ここに塗装の跡があります、と教えていただかないと
気づかないくらい壁に溶け込んでいます。
「保存再生工事の際、新しい床の下に保存された100年前の床」
こんな保存の仕方があるなんて
最後はお気に入りを。何か分かりますか
「品格と親しみやすさ」
外観・歴史から敷居が高いと思っていましたが、
かつて剣道の試合などにも使用されていたことをお伺いし、
使われ方に驚いただけでなく身近に感じることができました。
昨年はmt 10th Anniversary in OSAKA(マスキングテープのイベント)が
開催され、「重要文化財にテープを貼ることは大丈夫か?」と
不安になりますが、傷つかないかを念入りに調べられました。
このイベントは開館100周年記念の新たな挑戦でもあり、
多くの若い年代の方が中央公会堂を訪れるきっかけにもなったそうです。
「mt 10th Anniversary in OSAKA写真提供:大阪市中央公会堂」
中央公会堂をこれからも残していくため、利用者には規則に
ご了承をいただいており、お客さまにはゴミを持ち帰ることなど
ご協力をお願いされています。
そして、職員の皆さまは何倍も気を遣われながら働かれています。
これは「中央公会堂が好き」という気持ちと
全員で守っていかなければいけないという、
中井館長をはじめ職員の皆さまの想いからです。
最後に中井館長に中央公会堂の目指す地点をお伺いしました。
「東京から来られた方が、中央公会堂を知って大阪が好きになったと
おっしゃっておられました。気軽に訪れることができ質の良いものを
味わえると思っていただける、このようなお客さまを
一人でも増やすことが究極のゴールです。
これからもこのブランド力を高めていきたいです。」
大阪市中央公会堂特別演奏会 《古典の真髄》
・日時:3月16日(土)開場14:00 開演15:00
・指揮:藤岡 幸夫(関西フィル首席指揮者)
・Vn:木嶋 真優
・プログラム
●ワーグナー:ジークフリート牧歌
●ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
●シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 作品97 「ライン」
大阪市中央公会堂特別演奏会プレミアム
・ 日時:5月22日(水)開場14:00 開演15:00
・指揮:オーギュスタン・デュメイ
・Fl: 椎名 朋美(関西フィル首席奏者)
・Cl: 梅本 貴子(関西フィル首席奏者)
・プログラム
●モーツァルト:フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
●モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
●ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93