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50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.1226 

 皆さま、こんにちは!
 50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.1226

 『関西フィルの「セカンドヴァイオリン」にフォーカス!!!!』と題して、第2ヴァイオリン奏者にのメンバーに焦点を当て紹介するシリーズ、Part3
今回は、メンバーが目指す今後について
Part1はこちら
Part2はこちら

ここ5年間セカンドは定年退職された方が4名、新たなメンバーが3名と入れ替わりました。楽団創立50年と併せて、これまで歴史を作ってきたメンバーから引き継いでいきたいこと、これから目指したいことなど、メッセージをどうぞ。

 入団して4年目になりますが、私が入ってからセカンドから3名の方が定年退職されました。もっとたくさんの演奏会でご一緒したかったなと心残りはありますが、これからも、セカンドチーム一丸となって更に良い音楽をお客様に届けられるよう、頑張っていきたいと思っております。


 当楽団は創立50周年を迎えました。指揮者団には世界的なヴァイオリニストや日本を代表する名指揮者も名を連ね、後援会企業には関西はおろか、世界有数の企業が親身になって支援していただくようになりました。しかし、私が入団した頃は、楽器運搬の車両の運転や会場にセッティング、楽譜の管理や写譜までも楽員自らしなければならないような、脆弱で明日をも知れない存在でした。その時期に生活苦を顧みず、楽団の存続に尽力した楽団員たちは、あまり良い目を見ることなくひっそりと退団していったように思います。これから我が楽団は関西から世界に向けて発信していくような大きく力強い存在になっていくでしょうが、彼らの作った礎の上にそれらを作り上げていくという思いを、心のどこかに持ちながら次の50年を歩んでいきたいと思います。


 入団して27年目になります。これまでに退職された方々が、このオーケストラでそれぞれの立場にふさわしい演奏生活を全うされたように、この先私自身、自分に出来うる演奏に努めて精進してゆきたいと思います。


 何度かあった楽団の危機を、その都度膨大な時間をかけて話し合い、さまざまなアイデアを活かしながら乗り越えてきました。退職された方々も含めてその原動力は、関西フィルを、音楽的にも、働く環境としても、社会に果たす役割としても、より良くして次の世代に渡していきたいという意志であったように思います。 私は退団まで後数年。かけがえのない存在を感じながら、この素晴らしい仲間と共にセカンドを盛り上げていきたいと思います。関西フィルのことを思ってくださるお客様がたくさんいらっしゃるということ、こんなに心強いことはありません。お気持ちにお応えできるようしっかり励んでいきたいと思います。


 オーケストラを1つの家庭にたとえると、セカンドは「主婦」のような立ち位置だと思います。現代社会では家事、育児に対する男女格差が少しずつ見直されつつありますが、亭主関白なファーストに振り回されながら毎度似たような譜面を淡々とこなし、その苦労の反面、管・打楽器やハープのように演奏後に舞台上で立たされて拍手をもらうことも特別な手当が出ることもなく、なかなか世間から評価される機会の少ないセカンドには世の奥様方と同じような方向性の不遇さがあると思います。でも、私達がいなくなったら困るんでしょう?セカンドには様々な能力が求められますが、他のパートやソリストとしても必要な要素が詰まっていると思います。入団して1年の私は、今日も周りのベテラン達に揉まれながら、終わりなき花嫁修行を続けていきます。


 次はいよいよ最終回
最終回もお楽しみに