Page Top

50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0317

 皆さま、こんばんは!
 50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0317 

 『関西フィルの「セカンドヴァイオリン」にフォーカス!!!!』と題して、第2ヴァイオリン奏者のメンバーに焦点を当て紹介するシリーズ、いよいよ最終回です
最後は、定年退職されたメンバーからのメッセージをお届けします。
Part1はこちら
Part2はこちら
Part3はこちら

 前第2ヴァイオリン首席 森末由文氏

 楽団創立50周年記念という事で誠におめでとうございます。
私が第2ヴァイオリン首席として入りましたのが、もう23年も前の事になります。それから定年まで18年間務めさせて頂きました。
 第2Vnパートは現在は当時のメンバーの半数が入れ替わり、年齢的にも若返った事と思います。おそらく若くてエネルギッシュな音に生まれ変わってきてると思いますので、どうぞいつまでも新人の心を忘れる事なく、常に音楽に全力傾注の姿勢を貫いて下さい。私はいつも心に残っている言葉に、晩年の朝比奈隆さんの指揮台での生の言葉で「楽譜を見てますとねー、今でもこの年になっても、どんなやり慣れた曲でも必ずどこか新たな発見が有るんです」と言った言葉が常に頭に響いています。まさに、これこそ真に音楽を愛し追求する姿勢ではないかと思っています。第2Vnは、オーケストラ全体に影響を与えるパートと言われています。どうぞ軟弱にはならず、確固たる第2Vnでいて下さい。そして関西フィル全体としましては、これからの時代、常に新しい発想と行動力で日本のオーケストラ界の先陣を切り牽引するオケでいて下さい。

                     

 鈴木洋子氏

 楽団50周年記念の今年4月に退団いたしました。35年間在籍した関西フィルで様々な経験をしましたが、半年を超える演奏自粛は想定外でした。ベテランと若手が少しずつ移り変わり混在し、融合を旨く成し遂げられた我がセカンドパート、これからの関西フィルは、後輩たちが素晴らしく受け継いでくれると確信し、昨年中には退団時期を決め、良き聴衆となって楽しませてもらおうと考えていました。非常事態に陥り、とても心配しています。関西フィルの音、演奏が大好きな一聴衆は通常の演奏会開催を楽しみに待っています。今年生誕250年のベートーヴエンの美しい音楽を沢山のお客様と聴きたいです。

                     

 阿久津則彦氏 ~淡々狸の思い出~

1 年に一度だけ必ず行っていた食事処がある。厨房と客の間を行き来している店主はただの主婦のようにも見える。品のいい盛付け、淡い味付けがいい。「おいひい」という表現は合わない。

 毎年演奏していた紀南文化会館での第九公演では、ゲネプロ後に遅い昼食をとる。2018年、寒空に揺れる檸檬の木の前を過ぎるとそのお店はあった。日替わり定食には小鉢が3つ付いている。いつもの優しい味を頂いた。こんな日は口が緩むものらしい。会計後、「ごちそうさま」に続いて「定年退職を迎えた」と一言が流れ出た。「二度と来ンからな」の旨を丁寧に伝えた。すると、毎年演奏しに来ている人だと薄々察していたと返ってきた。ああ、やっぱり商売人だ、見てる。「お元気で」と輪唱した。また檸檬の木の前に出た。この木も大きくなった。さあ本番だ。翌年の十二月の第九公演を最後に田辺合唱団が解散した。

2 通電したままのパソコンの画面には、保存しておいたアルバムがランダムに流れる。スイスのレマン湖畔、閉校記念公演の小学校、徳之島の日没もアンパンマン列車も。
 和服の女優と私が並んだ画像も現れるが、その都度彼女との別れ方を悔やむようになった。
 文化庁公演の折の由布院で、ドラマの撮影と思われる現場に遭遇した。出待ち顔のその人にカメラを向けた私を制して、そこのスタッフが言った。ツーショットを撮ってあげるからその他の撮影は遠慮して欲しいと。はいな。撮影はあっという間に済み、私は学校へ急いだ。そこなのだ。私は野次馬そのもの、大間抜けであった。サインも求めず手にも触れず、ありがとうの一言で別れたのだから。有名人には冷たい行為。東ちづるさんに「すまんことした」と気づくのに長い時間がかかった。

                     

 また、伊勢久乃氏は退職後、関西フィルの演奏会に頻繁にご来場いただき、応援してくださっています。

 

 

 

 

『関西フィルの「セカンドヴァイオリン」にフォーカス!!!!』、4回シリーズを最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。今回コラムを作成してみて、多くの方々に支えられ演奏活動出来ている事を改めて実感し、とても心強い思いでおります。また現メンバーの新たな一面がお互いに発見でき、今後、ディスタンスを取りながらも演奏面では、よりにパートとして発展していきたいと思いを新たにいたしました。これを機会に、皆様にもぜひ舞台上でも11人見つけて頂き、さらなる応援を頂ければ幸いです。コロナ禍、余談を許さない状況ではありますが、ほんの少しでも日々の生活の中の心安らぐひとときとなれるよう、パート一丸となって精進していきます。

 最後になりましたが、今回作成するにあたり快くご協力頂きました諸先輩、スタッフの方々に感謝申し上げます。それでは、また、演奏会でお目に掛かりましょう!

 

 4回にわたってお贈りした『関西フィルの「セカンドヴァイオリン」にフォーカス!!!!』いかがだったでしょうか
今後もセカンドヴァイオリンメンバーにご注目ください

 そして、楽員からのメッセージもこの回で最終回です。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。