みなさまこんにちは。
50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.1215です。
今回は、事務局スタッフの“つれづれシリーズ”『ああ、第九』編♪
12月12日(土)の第九特別演奏会にお越しいただいたお客様、
本当にありがとうございました。
皆様のご協力・ご支援をいただき、
なんとか無事開催することができました。
心より感謝申し上げます。
その年によって増減はありますが、
毎年、第九公演は12月を中心に6公演~8公演、
多ければそれ以上、出演させていただいています。
すなわち、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」全楽章を、
この回数演奏しているのです。
年間を通してこれだけの回数演奏する交響曲は、
「第九」のみでしょう![]()
事務局側として、
第九は出演者が多いので、準備・確認することがたくさんあります。
事務局スタッフとしても、第九に向けての準備・現場対応を
この回数繰り返すことになります![]()
ベートーヴェンの第九、
人類の遺産とも言える素晴らしい芸術作品です![]()
が、、、様々な準備・本番当日の対応を繰り返す度に、
事務局スタッフの、時系列に沿って変化する心境が、
第九の音楽に結び付いてくるのです~。
音楽版パブロフの犬![]()
第九公演では、終日、大勢の出演者に
どれだけスムーズにスケジュール通りに動いてもらうかが、
大きなカギになります。
そんな中でも特に、
本番中の2楽章から3楽章にかけては大きな山です。
舞台上の広さ・設備によって流れは変わってきますが、
2楽章終わり(2楽章と3楽章の間)で、ソリスト4人・合唱団さんが
舞台上に出ていくという一大イベントがあるのです。
(1楽章から合唱団さんが舞台上で待機される場合もあります)
合唱団さんの皆さんに、
「では、〇時〇分頃には舞台袖に並び終えていただけますか」
と事務局からお願いすることがあるのですが、
お伝えした時間が少し早く、寒い舞台袖で合唱団の皆さんに
立ったままお待ちいただいている状況になると、
とても心苦しい気持ちになります。。![]()
合唱団さんには、もちろん本番が始まるより前にスタンバイ時間を
お伝えします。
2楽章終わりのタイミングを見極めるには、
開演時刻からチューニング、序曲の音が出るまでの時間、
序曲終わりの時間、その後拍手があって、
演奏者の出ハケ・チューニング、で、第1楽章が始まって、
と最初から積み重ねて考えていきます。
本番が始まってからこの机上の空論プランにズレが生じてくると、
どんどん手汗が。。。![]()
そして2楽章はテンポが速めで繰り返しが多い!
少し他のスタッフと確認作業をしていると、
あっという間に曲の中で迷子に![]()
2楽章終わりのタイミングを確実に把握しておきたいのに…!!
なので、何か1つか2つ、不安材料が重なってしまうと、
2楽章の音楽に煽られ、もう事務局スタッフの心境はカオス![]()
2楽章終わりで、ソリスト4人・合唱団さんを無事舞台上に送り出し、
その後に聴こえてくる第3楽章、
これほど事務局スタッフの心に寄り添ってくれる音楽が
他にあるでしょうか![]()
この心の平安の中、舞台袖で聴く3楽章・歓喜の4楽章は
何回聴いても格別です。
第九の演奏会は、
何かの序曲(または短い曲)+ 第九
というプログラムで構成されることが多く、この序曲の選曲にも
結構事務局スタッフは悩みます。
(ここにはまた複雑な事務局スタッフの心境が反映される)
ベートーヴェン作曲の序曲の中で、
特に演奏する機会が多いのは、
「フィデリオ」序曲
「コリオラン」序曲
「レオノーレ」序曲2番・3番
「エグモント」序曲
などでしょうか。
この序曲を演奏している最中は、ソリストも、合唱団も、
打楽器奏者も、曲によっては各種管楽器奏者も舞台上には
出ておらず、それぞれスタンバイが完了しているか、
ドキドキしながら舞台袖をウロウロ![]()
(大丈夫?大丈夫?みんないるよね?)
(寒い。。)
(あと何分で序曲終わる?)
(は~、年末)
(あのパートの奏者がまだ舞台袖に来てない!)
(結局お昼ご飯食べられなかった…)
などと色々なことに思いを馳せています。
この地に足付かない感じが、いつどこでどの序曲を聴いても
蘇ってくるのです!!
まとめると、
「ベートーヴェンの序曲は何を聴いても年末のそわそわした気分になる」。
そんな序曲の中、最近、イメージが変わった序曲として
レオノーレ序曲第3番があります。
2018年に、新国立劇場の「フィデリオ」を
見に行かせていただきました。
関西フィル桂冠名誉指揮者、飯守泰次郎さんの
新国立劇場オペラ芸術監督在任期間最後のオペラでした。
「フィデリオ」の本編の中、レオノーレ序曲第3番が演奏されるのですが、
この間に舞台上で起こった事、あまりの衝撃に凍り付く客席…。
音楽は、とても華やかなレオノーレ序曲が鳴り続けています。
この時の雰囲気は一生忘れることはないでしょう。
先日、NHK「オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー」で
九州交響楽団さんのレオノーレ序曲第3番を聴いた時、
「フィデリオ」の衝撃的な場面が蘇ってきて、この印象無くして
レオノーレ第3番を素直に聴けることはもうないだろうな、
と思いました。
オペラにおける演出の重要性、
既存のオペラをここまで深く掘り下げる演出の深遠さ、
ある意味、音楽で人の心を支配できてしまうということ、
などを色々考える機会となりました![]()
“第九”の話から少し逸れてしまいましたが、今月、
もう1公演第九を演奏させていただきます![]()
本当に長くお付き合いさせていただいている
神戸フロイデ合唱団さんの第九演奏会です![]()
12月23日(水)に兵庫県立芸術文化センターにて、
きっちりと感染防止対策をされて開催されます。
コロナで終わってしまう2020年、
第九演奏会に出演できることを心から感謝しながら、
あまりバタバタしなくて良いように、
練習・本番に向けて準備をしたいと思います。
では皆さん、また“5”の付く日にお会いしましょう!!































