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  • 2020.6.1(月)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0601

     皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0601
    今回はホルン奏者、中川直子からのメッセージを
    お届けします。

     楽団創立50周年という記念の年、応援してくださる皆さまに感謝を伝え、意欲的なプログラムや様々な企画で喜びを共有していただければと思っていたところ、まさかこのような形でストップがかかるとは思いもよらぬことでした。演奏会が中止になるだけでなく、誰かと一緒に演奏することすら叶わない今の状況は、とても辛く苦しい毎日です。

      思い返してみれば、大学を卒業する際に自分の技量に自信がなく、プロを目指してこのまま演奏活動を続けていくのかどうか悩みました。
    その時に決め手になったのは、「みんなと一緒に演奏して得られた喜びをもっと感じたい、そのためにまだ努力を続けてみよう」という気持ちでした。学生時代から好きだったのはソロではなくアンサンブルやオーケストラ、誰かと一緒に合奏することでした。合奏したときに個々の力以上のものが発揮できたり、思ってもみない方向に音楽が向かっていったりする、
    そういう楽しさに夢中になりました。

     そんな私が、ホルンパートの中でもソロやリーダーシップを取ることが
    多い上吹きではなく、周りの呼吸を読んで合わせて演奏する下吹きを選んだことは、ごく自然なことでした。

      無事にコロナが終息した時、良くも悪くもコロナ以前と全く同じ状態ではないでしょう。演奏の機会を失っている今、自分にとって音楽がいかに大事なものなのか、お客様の前で演奏できることがいかに有り難いかをひしひしと感じています。

     今回のことが無駄なことだけではなかったと後に振り返られるよう、
    今の気持ちを決して忘れることなく、演奏に思いを乗せてお届けできればと思います。

     皆さまと笑顔で再びお会いできる日を、心待ちにしております。

    ホルン奏者 中川 直子

     

     


  • 2020.5.29(金)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0529

     皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0529
    今回は、コントラバス奏者、猪飼正代からのメッセージを
    お届けします。

     いつも関西フィルを応援して下さりありがとうございます。
     
     新型コロナウイルスの感染拡大の影響で関西フィルも演奏会の中止、
    延期を余儀なくされ演奏者の私達は自宅待機の日々が続いております。
    今までこんなにも長く舞台に立てなかった事はありません。
    1日も早く舞台に立ち、皆様の心に響く音楽を届けたいです。

     私は19924月入団で29年目の年になります。
    コントラバスを担当しています。
    コントラバスはオーケストラの音を下から支える役目をしていると思っています。太い弦ならではの深い低い音で他の奏者の音を支える、というとても重要な楽器【コントラバス】を演奏する事に魅力を感じていますしやりがいもあります。
     楽団の仲間は皆音楽が大好きで、毎回舞台で熱く一生懸命全力で演奏をします。そんな仲間と演奏できる事がとても幸せです。定年まで後37ヶ月、
    その幸せを噛みしめながら残りのオーケストラ人生を送りたいと思います。

     2020年度は楽団創立50周年の記念演奏会を沢山ご用意しております。
    皆様と演奏会場でお目にかかれる日を楽しみにしております。

     50周年記念の年が大変な幕開けとなりましたが、これから先もずっと
    関西フィルが存続する事を切に願います。

    今後とも関西フィルをどうぞよろしくお願い致します!

    コントラバス奏者 猪飼 正代

     

     

     


  • 2020.5.27(水)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0527

     皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0527、
    今回は、特別契約首席ヴィオラ奏者、中島悦子からのメッセージを
    お届けします。

     皆様へ 

     音楽をお届けできない日々が続き大変心苦しいですが、
    どんな時も国境もジャンルも越え、人の心に届くオーケストラが
    関西フィルです。

     音楽は人間の中にあります。
    人と共にあり、どの土地のどんな民族も、自分達のメロディを持ち、
    自然に歌い踊り、そして悲しみも苦しみも乗り越えてきました。

     関西フィルも音楽と共に歩み乗り越え、未来へと大切に繋いでいきます。現在、関西フィルは少しでも早い開催に向けて様々な方法を模索しております。
    活動存続の為に、今後ともご声援、ご支援をどうぞ
    よろしくお願いいたします。
    どうかお元気でお過ごしくださいませ。

     音楽と皆様に、
    心からの感謝をこめて 

    首席ヴィオラ奏者 中島 悦子

     

     


  • 2020.5.25(月)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0525

    皆さま、こんにちは

    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」第6回です。
    今回は、楽団事務局員(ある企業からの出向者です)による
    “つれづれシリーズ”(つれづれと書いてみたシリーズ)。
    懐かしい2015年ヨーロッパ公演の写真も合わせてお楽しみください♪♪

     

     

    僕が、ある企業からの出向で関西フィルの専務理事になって
    この4月で5年になりました。

    2年くらい前から、楽団50周年に何をしようか、その資金は
    どうしたらいいか、楽団の外部と内部にどのように伝え
    盛り上げていったらいいか考え始め、準備万端、さあスタート!
    という時に何もできなくなりました…。

    でも楽団が50周年であることには変わりありません。
    楽団名も関わる人も移り変わってきましたが、そのバトンを引き継ぎ、
    今できることをやって次の世代にバトンを渡していきたいと思います。

    と、冒頭堅苦しいことを書きましたが、オーケストラにもクラシック
    音楽にも縁のなかった、企業の一会社員が、この世界で感じていることの
    一部を書いてみます。

     

     ◆音楽監督のデュメイさんは現在、ベルギー・ブリュッセル在住で、
    年に3回、演奏会のタイミングに合わせて来日、数週間滞在します。
    その間に、1~2回ミーティングをします。

    来期のプログラムの話、契約の話、議題は様々です。
    デュメイさんはフランス人ですから当然母国語はフランス語ですが、
    それではミーティングにならないので英語で話してくれます。
    クセのない分かりやすい英語(のはずです)を話してくれます。
    でも、話が込み入ってきたり感情的になるとフランス語が出てきて
    訳が分からなくなります。

    僕は、毎回一言はフランス語を話すことにしていて、直前に勉強して
    「コマンタレヴ」とか「メルシヴォークゥ」とか声を掛けます。
    「君のフランス語はフランス人より上手だね」と褒めてくれますが、
    本人は一言の日本語も話されません。

    2015年にデュメイさんとヨーロッパ公演に行った時、スイスやイタリア、
    ドイツの聴衆がデュメイさんに贈る拍手が、家族のような温かさだった
    ことは今も忘れません。

     

    ♪デュッセルドルフ(ドイツ)の公演にて

     

    「ムッシュー、日本でクラシック人口が減っているとか高齢化しているとか
    言うけど、ヨーロッパのほうがもっとひどいよ。フランスやドイツの
    若い人なんか、ベートーヴェンを聴いたことない人はたくさんいるよ。」
    とおっしゃっていたことも印象的でした。 

    僕はデュメイさんの指揮・演奏するフランスの小品、ラヴェルや
    ドビュッシーが大好きです。
    それから、有名で聴き慣れた交響曲をどんなリズムで、どんな解釈で
    指揮されるのかいつもワクワクします。

    他の指揮者なら絶対やらないようなことをする、本当にデュメイさんは
    ヨーロッパのど真ん中の人だと思います。

     

    ♪ベルガモ(イタリア)の丘の上からの風景(旧市街)

     

    首席指揮者の藤岡幸夫さんは早起きです。
    「僕は朝勉強するからね」とのこと。
    これも2015年、ヨーロッパ公演に行った時。
    全行程を藤岡さんに同行いただきましたので10日以上もの間、
    僕は藤岡さんと同じホテルに泊まりました。

     

    ♪2015年マルティニー(スイス)の演奏会場、ゲネプロ前に。

     

    どのホテルも朝食はビュッフェスタイルで、6時半か7時開始です。
    朝、レストランに行くと必ず藤岡さんが先に食事をしていて、
    「おはようございます。こっちに来て!」とハイテンションで
    声がかかります。
    僕もそれほど朝は苦手ではないですが、藤岡さんの一勉強した後の
    テンションにはかないません。
    ある朝、絶対藤岡さんより先に朝食を済ませようと開店の15分前に
    行ったら、既に藤岡さんが待合席に並んでいました。

    藤岡さんはいつも前向きで情熱的で、こちらが落ち込んでいる時には
    勇気を与えてくれます。
    この苦境の中でも、
    「出口が見えたら、どこもやってないような関西フィルらしい
    コンサートを絶対やろうよ!」と毎日のように電話で話してくれます。

    藤岡さんのこういう魅力に多くの人が惹かれるのですね。

     

    ♪ベルガモ公演にて。客席のどこかに藤岡さんと筆者が。。

     

    桂冠名誉指揮者、飯守泰次郎さんとのエピソードは、またお伝えできればと思います。

    では、次の「5」の付く日にお会いしましょう!

     


  • 2020.5.20(水)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0520

     皆さま、こんにちは!
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0520、
    今回は、特別契約首席チェロ奏者、日野俊介からのメッセージをお届けします。

     高校生の頃、僕は学校の友人に誘われて、初めてヴィエール・フィル(関フィルの前身)の演奏会へ行きました。あれから40年と少し、今こうして自分がそのオーケストラの一員として、楽団創立50周年を迎える事になろうとは、当時勿論知る由もありません。
    そして当時どころか、つい今年の初めにも想像だにしなかったのが、全人類がウィルスの脅威に晒されているこの現在の世界の状況です。 

       今、自分たちは何をすべきなのか? 
    演奏会をする事が叶わず、予定は全て白紙となり、オーケストラはもう限界にきている中で、何か役に立つ事ができないのか?   
    事態が収束すればその時には、皆で誠心誠意、精一杯の演奏する事はできるのですが、それも叶わぬ今、この受難の真最中に我々はただただ祈るばかりなのか…。

       40年前に夢見て入った世界は、思いも寄らなかった形で盲点を突かれ、
    その脆弱さを露呈する事となってしまいました。皆が解決の緒を模索していますが、まだまだ今後ももがき続けて行く事を余儀なくされそうです。   
     楽団創立50周年は、実に50年で最大の試練の年となっています。

    首席チェロ奏者 日野 俊介