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  • 2020.5.5(火)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0505

    みなさま、こんにちは!

    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」第4回、
    緊急事態宣言が継続され、気持ちを持ち直すことがなかなか
    難しいですが、つらつらと書いています。
    今回は、関西フィルの名カメラマン、第一ヴァイオリン徳岡 裕紀の
    写真ギャラリーから写真を借りました。
    (2019年、太陽の塔の内部公開の時の写真です)

    一緒にお楽しみください!!

    厳しい状況の中、変わらず関西フィルへのご声援、ご支援を賜り
    心から感謝申し上げます。
    「止まない雨はない」「日はまた昇る」「春の来ない冬はない」
    を信じて、耐えて、備えて、皆様に生きた音楽をお届けできる日を
    待っております。

    さて、
    関西フィルハーモニー管弦楽団の前身、ヴィエール室内合奏団が
    発足したのは1970年でした。
    この年には、東京オリンピックと並んで日本の高度経済成長期の
    象徴ともいえる、大阪万博が開催されました。

     

    また、ヤクルトスワローズ誕生、日航機よど号ハイジャック事件、
    ビートルズ解散、アポロ13号打ち上げ、などなど、
    そしてこの年の年末に関西フィルは産声を上げました。

    太陽の塔の内部

     

    314日に開幕した大阪万博は、まさに世紀の大イベントとなり、
    最も人気の展示はアメリカ館で展示された「月の石」でした。
    前年に達成したアポロ11号の月面着陸の際に採取されたという
    この石のために、数万人の人々が一瞬の見学時間のために数時間並んだそうです。

     

    千里丘陵の万博会場とは別に、第二会場として旧フェスティバルホールが
    クラシック音楽公演会場となり、エキスポ・クラシックと呼ばれる
    クラシック音楽関連の公演が数多く開催されました。
    この中には「カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」が
    ベートーヴェン交響曲全曲演奏会を行うなど、豪華な外国オーケストラに
    よる多くのコンサートがありました。
    この年はベートーヴェン生誕200年の年でもありました。

    オープニング・コンサートでは
    岩城宏之指揮、NHK交響楽団の演奏で「君が代」に続き、万博のための
    委嘱作品、三善晃「祝典序曲」、黛敏郎「BUGAKU」、
    ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」が演奏されています。

     

    ベルリン・ドイツ・オペラは関西初公演、
    「ローエングリン」「モーゼとアロン」「ドイツ・レクイエム」が
    上演されました。

    公演ポスター

    ボリショイ・オペラも関西初公演!!
    「ボリス・ゴドノフ」「エウゲニ・オネーギン」「スペードの女王」
    「イーゴリ公」など、綺羅星のようなロシアの作品を上演。
    歌手、オーケストラ、合唱団、バレエ団、スタッフ総勢400名、
    100トンを超す衣裳・舞台装置ととも来日したそうです。

    公演ポスター

    その他、
    パリ管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、
    ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団等海外オケの来日、
    また、5夜にわたり、日本を代表する5つのオーケストラ、
    読売日本交響楽団(指揮:若杉 宏)
    日本フィルハーモニー交響楽団(指揮:小澤 征爾)
    NHK交響楽団(指揮:岩城 宏之)
    京都市交響楽団(指揮:渡邉 暁雄)
    大阪フィルハーモニー交響楽団(指揮:朝比奈 隆)
    が競演しています。

    クラシックファンの皆様は半年の短い間に、めったに聴くことのできない
    豪華な外国オーケストラの、数多くの公演を堪能したことでしょう。

    2025年には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに
    「大阪・関西万博」の開催が決まっています。
    しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、20年東京五輪・
    パラリンピックが1年延期され、今年開催予定のドバイ万博の
    1年延期も検討されているとのこと。
    ドバイ万博も延期されると25年大阪・関西万博にも影響があるかも
    しれませんね。。。

    次回の大阪・関西万博にも多くの外国オーケストラの
    来日が期待されますが、関西フィルをはじめとする在阪オーケストラの
    公演が組み込まれ、外国オケとの共演、競演などが企画されることを
    願わずにはいられません。
    世界からのお客様に日本、関西、大阪のオーケストラ演奏をお届け
    できるように、精進してまいります。
    未来の関西フィルにどうぞご期待ください。

    ではまた次回、「5」のつく日にお会いしましょう!!

     

     


  • 2020.5.2(土)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0502

     皆さま、こんにちは。
    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回は首席ティンパニ奏者、
    中山直音からのメッセージをお届けします。


     関西フィル、ティンパニ奏者の中山直音です。
    現在日本中、世界中がコロナウィルスで大変な状況になっていますが、今年関西フィルは創立50周年を迎えます。

      私は和歌山県出身で子供の頃、オーケストラを初めて知ったのが和歌山での関西フィルの演奏会でした。
     運良く、その関西フィルに入団することが出来て6年目になり、このオーケストラの一団員として思うのが、今まで関西フィルを応援してくださっている方々に演奏をお届けし、楽しんで頂くのはもちろん、次の6070周年、、、そして次の100周年に向けて、まだオーケストラを知らない次世代を担う方々に生のオーケストラの演奏を届けて人生を豊かにしてもらう事が関西フィルの使命だと思っています。

      演奏会でお客様の顔を見る事が出来ないとても寂しい日々が続いていますが、我々はいつでも舞台に戻れる様に日々準備しています。関西フィル全員でこの危機に必ず耐えてみせますので、関西フィルの演奏会を楽しみにお待ち下さい。

    それまで皆さま、くれぐれもお体にお気をつけて下さい。

    ティンパニ奏者  中山 直音

     

     


  • 2020.4.29(水)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0429

     皆さま、こんにちは。
    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回はフルート奏者、
    虎谷朋子からのメッセージをお届けします。

     

     演奏活動が出来なくなって2か月を迎えようとしています。
    この先も中止や延期の連絡が次々に入り、何も出来ないまま、
    どうして良いかわからないまま過ごしていました。


     
    思えばこれまでに何度も存続の危機がありました。

    母体であったヴィエール・フィルを経て、小松一彦さんを常任指揮者に迎えて関西フィルが発足したのはザ・シンフォニーホールが出来る前の事です。
    小松さんによって徹底的にオーケストラの合奏の基本をたたき込まれた後、黒岩英臣さんからは真摯に音楽に向き合う情熱、ウリ・マイヤーさんからは響きや和音のトレーニングにより、やわらかなオーケストラのサウンド、
    流麗な音楽の運びを得ました。新しいレパートリーとしてバルトークや
    ルトスワフスキーのオーケストラの為の協奏曲を定期演奏会で取り上げたのもこの頃でした。


     
    今から20年前、藤岡幸夫さん(首席指揮者)が来られるまでの間に、現在も桂冠名誉指揮者である飯守泰次郎先生を始め、名だたる指揮者の方々に来て頂き、また様々な依頼公演により多くの経験をする事が出来ました。

    現在はオーギュスタン・デュメイ音楽監督も加わり3人の指揮者から、
    それぞれの個性、得意分野を生かしたプログラムで、独自のカラーを打ち出しています。


     
    この2か月、演奏活動が出来ない事で、しみじみ生演奏の活動の大切さを思い知りました。

     
    一人一人が楽器を演奏し、力を合わせてひとつの響きを奏でる、これこそオーケストラの醍醐味です。
    世界中にたくさんのオーケストラがありますが、ひとつひとつ違った響きがします。
    私は関西フィルにしかない、暖かで人間味のある、リハーサルではごちゃごちゃしていても本番で協力し合って情熱がほとばしる生演奏が大好きです。

     
    これまでも何度も存続の危機に遭いながら、多くのご支援を頂いて参りました。

    お蔭様でたくさんの演奏会を開催する事が出来、また多くの経験を積んで来られた事は本当に幸せな事と感謝の気持ちで一杯です。

     
    世の中が、経済が、医療現場が大変な時ですが、再び安全で健全な暮らしが戻り生演奏が出来る時こそ、社会に元気を届けられると思います。


     
    私はあと1年と8か月ほどで定年を迎えますが、若く優秀な奏者達が関西フィル独自のサウンドを引き継ぎお届け出来る事を確信しています。


     
    これからも変わりませず、関西フィルにご支援を賜りますよう、どうか宜しくお願い申し上げます。

    フルート奏者 虎谷朋子


     

     


  • 2020.4.27(月)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0427

     皆さま、こんにちは。
    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回は首席フルート奏者、
    沼田陽一からのメッセージをお届けします。

     2020年、関西フィルハーモニー管弦楽団は創立50周年を迎えました。
     思えば関西フィルは数多くの困難に見舞われながらも、多くの方々や企業からの暖かい支援によって支えられ、やっと迎える事の出来た50周年でした。

     私は1980年に入団し、入団後1年あまりで楽団が二分するような問題が
    起こり、創立者であり、当時の音楽監督兼指揮者の宇宿允人氏は辞任、
    それに伴い何人もの楽員が去りました。
    その時は楽団が消滅してしまう覚悟でおりましたが、支援して頂いている大川創業の大川進一郎代表が楽団の運営を引き受けてくださる事となり命拾いした次第です。

    その後1年あまり活動を続け、「関西フィルハーモニー管弦楽団」として
    故小松一彦氏を常任指揮者に迎えスタートしました。
    現在の指揮者陣になるまで、常任指揮者は6年毎に変わりつつ、周りから
    認知される団体になるまで少しずつ成長を遂げて参りましたが、バブル崩壊の煽りや阪神大震災の影響を受け、楽団は経済的窮地に陥りました。
    しかし、人員削減ではなく、給料をカットすることで、楽員を守り、何とか活動を続けられてきました。
    また、頑張れ関フィルコンサート等で窮状を訴え、たくさんの方々から支持を頂く事が出来ました。
    そして現在に至り、やっと創立50周年を迎える事ができ、大変嬉しく思います。

     定年退職を目前にして信じ難いコロナウイルス感染拡大の混乱の中、
    楽団の存続が危ぶまれる事態となり呆然としております。
     このようなご時世において楽団の存在自体が問われる状況の中、我々が結束して これから何処に向かって行くのか、支援してくださっている皆様に
    強く明確に示さなければならないと思っております。
     
    コロナ終息後には関西だけでは無く、日本から必要とされる楽団として しっかり文化的使命を果たすべく努力と進化を遂げて参りたい所存です。

    沼田陽一

     


  • 2020.4.25(土)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0425

    みなさま、こんにちは!
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」第3回です。
    今回は、オーケストラの演奏では欠かせない「バンダ」についてご紹介します!

                ―  バンダの世界(1) ―

    「バンダ」とは、オーケストラなどで、本来の舞台上の編成とは別に、離れた位置で「別働隊」として演奏する小規模の演奏者(アンサンブル)のことです。舞台裏や客席、色んなところで演奏します。
    原語はイタリア語でbanda(楽隊)。英語のband(バンド)に相当する言葉です

    作曲家は、ときに舞台上だけではなく、会場の“空間”までも意識した音楽を書くことがあり
    今でいうバンダの形はイタリア・ルネッサンスの教会音楽の時代から既にありました。

    〔バンダの図〕

    ここではホルン4人、トランペット4人がいます。
    「チャイコフスキー:大序曲『1812年』より」
    (場所/ザ・シンフォニーホール 舞台後ろ客席上、パイプオルガンの両横部分)

     

    音楽のストーリー的に、遠くの方から鳴っている様子や感情を表現したいときなど、演奏効果や視覚効果も考え、作曲家はバンダのパートを生み出します
    金管楽器を始めとした、あらゆる種類の楽器のバンダがあり、多彩な表現が堪能できるのが、魅力です。(生演奏の楽しさのひとつです!)

    バンダは最低1名から、大きいものだと“軍楽隊(金管バンド)”まであり、
    「団体まるごと」レベルのバンダもあります(!)

    バンダが入る曲は意外なほど身近に多く、その代表例としては、下の曲たち。

    〔関西フィルの演奏機会が多いもの順(独断)〕
    ・ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
    ★信号ラッパとしてトランペットがバンダで活躍!

    ・レスピーギ:交響詩「ローマの松」
    ★バンダの演奏効果が高く、明るい曲想で演奏会のメインに!

    ・チャイコフスキー:大序曲「1812年」
    ★金管バンダのほか、有名な“大砲”パートがあります!

    ・ベルリオーズ:「幻想交響曲」
    ★オーボエや、カリヨン(鐘)のバンダがあります!

    ・ヴェルディ:歌劇「アイーダ」
    ★“凱旋行進曲”は軍楽隊(会場・音楽的都合等によりゼロ~フルまで可変する)と、
     6本のアイーダトランペットの活躍が壮観!

    などなど。。

    演奏者は、一般的にはバンダで演奏する曲中指定箇所の少し前のタイミングで、舞台裏や客席などの所定位置でスタンバイし、演奏に備えます。準備する裏方を含め、緊張する瞬間です。

     

    〔客席のバンダの例〕

    レスピーギ:「ローマの松」金管バンダ部隊のセッティング
    (場所/ザ・シンフォニーホール:2階サイドバルコニー LDブロック 客席後ろ部分)

    こういった客席のバンダは、指揮者が直接見えます。
     

    しかし、舞台裏でのバンダの場合、指揮が直接見えず、オーケストラの音がタイムリーに聴こえてこない時があるため、
    指揮者が見える”指揮モニター”と”モニタースピーカー”を用意し、演奏する場合もあります

     

    [舞台裏のバンダの例]

    レスピーギ:「ローマの松」トランペット・バンダのセッティング。
    ※指揮者を撮っており、その映像がモニターに映っています。
     舞台の音もスピーカーから流れてきます。
    (場所/ザ・シンフォニーホール舞台裏手)

    奥の茶色の扉を開けると舞台方面です。演奏する時はこの茶色の扉を開け、舞台に音を響かせます。

    また、舞台袖のバンダもあります。

    [舞台袖バンダの例]

    ヴェルディ:「アイーダ」”凱旋行進曲”より。
    ※会場条件等により、舞台袖になることもあります。
    (場所/文化パルク城陽 「20181月 城陽ニューイヤーコンサート」より)

    西城陽高等学校 吹奏楽部30超名の豪華なバンダ。同校合唱団も入り、壮大な空間になりました

     

    演奏会で、舞台外から突然、音が聴こえてくる事がありますが、それが「バンダ」なのです!
    裏側はこういった仕掛けで動いています

    演奏会でバンダを見掛けたら、その演出・舞台との音色の違いなど、是非注目してみてください!
    つづきは、いずれまた…

    それでは、次の”5”が付く日まで。