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  • 2020.6.25(木)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0625

    みなさま、こんにちは!

    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、
    今回は“本業シリーズ”です。
    50周年記念コラムOp.0425で「バンダ」について書きましたが、
    今回はその続きです!!

    「バンダ」についてはぜひコラムOp.0425で復習してください♪

     

          ― バンダの世界(2)―

     

     

    前回ご紹介したバンダが出没頻度Aだとしたら、(A~Cの3段階)
    今回はB・Cレベルのバンダをご紹介します~!

    まずは2014年に関西二期会さん主催のヴェルディ:ドン・カルロで
    演奏させていただいた時の、大人数のバンダ演奏。

    演出によって演奏する場所は色々あるようですが、この時は、
    舞台の上手袖中で演奏しました。
    (オーケストラ本体はオーケストラピット内)

    このスペースで演奏しました。奥に見えているのがオペラの舞台です。

    (バンダを配置している時の写真撮れず。バンダ用の譜面台が端に寄せてあります)

    このスペースにどんな編成のバンダを配置したかというと・・・

    ぐるっと円形になっている13名がこの時のバンダです。

    クラリネット・ホルン・トランペット・トロンボーンという楽器編成。
    上記写真の右下にいる4人のホルンが、本体のオーケストラの左奥部分
    になります。
    関西フィル練習場での写真ですが、バンダは本体のオーケストラとは
    逆の方を向いてバンダっぽい音色になるようにして練習しました。
    バンダの人数が多いので、円形の中心に副指揮者の方が
    いらっしゃいますね。

    王様が登場する前の、貴族たちがそぞろ歩いている場面でバンダが
    演奏したのですが、オーケストラピットからの音とは違うとても
    立体的な音響になり、素晴らしい演出効果でした!!

     

    そして次は楽器の存在が天然記念物レベルの、
    ベルリオーズ「幻想交響曲」で使用する鐘!!

    「ド」と「ソ」の音程がある大きな鐘です。
    鐘の直径、30~40㎝はあるでしょうか。
    この大きさのとおり、かなり低く大きく響く鐘です。
    ホール内の空気を一変させる影響力があります!!

    恋人を殺してしまった主人公が処刑され、その「弔鐘」を
    表す音として舞台袖の中から打楽器奏者が叩きます。

    現在、プロオーケストラは国内の3か所からこの楽器を借りています。
    すなわち!
    「幻想交響曲」は国内での同じ日に、最大でも3公演でしか演奏できないと
    いうことです!!

    日本のプロオーケストラが、この鐘の取り合いで取っ組み合いの 喧嘩に
    なったことは幸いながらまだ無いようです。

     

    そしてレベルCのバンダ。

    関西フィルでも、これまで数多くの“バンダ”入り楽曲を演奏
    してきましたが、 これは初めて!!

    ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」でしか使われない、
    世界で数台しかないホルツ・トランペット(木製トランペット)です。

    (C)s.yamamoto     ホルツ・トランペット:白水 大介

    楽器のバランス取るのが難しそうですね~。

     

    オルガン前、右上でスポットライトが当たっている場所で演奏しています。

    (C)s.yamamoto 

    イゾルデが乗っている船の到着を知らせる音として演奏されます。
    プロ奏者でも初めて吹く楽器だったので、とても難しかったそうです。

    さすがに珍しい楽器だったので、当時のブログで詳しく
    説明していましたー。

    2016年のブログ記事

     

    バンダで使われる頻度の高いトランペット、バンダ演奏の経験も多い
    白水大介にバンダについて聞きました♪

     

    ―バンダで楽器を吹くときに意識していることは?

    舞台裏で演奏するバンダは、客席では少し音程が低く聴こえ気味に
    なるので、 明るめの音色を意識して吹いています。
    お客様の顔が見えない場所での演奏なので、逆にリラックスして
    吹けているかもしれません。
    花道や客席スペースでのバンダの場合、時差のせいで遅れて
    聴こえないよう、 ほんの少し早いタイミングで吹いているのですが、
    逆に私の演奏場所に近いお客様には
    「この人吹くタイミングが早くない?」と思われていないか
    若干気になります(笑)。

     

    ―バンダ演奏でのエピソードを。

    「ローマの松」で、一度舞台上から舞台袖のバンダ演奏に移り、
    その後また舞台上に戻った演奏会の後、
    観に来てくれていた両親から
    「どうしたん?お腹痛かったの?」(トイレ行ったのか?)と
    真顔で言われたこと。

     

    ―バンダで吹く時の醍醐味は?

    プレッシャーもあるけど重要な見せ所でもあると思います。
    トランペットのバンダは何かの到着を表現することも多く、
    ”救世主の到着”という設定の時には「今日の演奏会を救うぞ!」
    ぐらいの意気込みで演奏しています!
    応援よろしくお願いします!

     

    バンダ演奏がある時は、練習日から当日のリハーサルまでと、
    音量・音色・演奏場所(舞台からの距離)と、かなり細かい
    調整を繰り返します。
    演奏時間としては短いことが多いのですが、静かな中での
    ソロ演奏が多いので、奏者のプレッシャーは計り知れません。。。

    2回にわたるバンダの世界、感じて頂けたでしょうか?
    バンダのある曲、ほかにもたくさんあります。
    舞台以外にもぜひ注目してみてください!!

     

    それでは、次の”5”が付く日にまたお会いしましょう♪♪♪

     


  • 2020.6.20(土)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0620

     皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0620
    今回は、コントラバス奏者、大野緑からのメッセージをお届けします。

     皆様
     いつもありがとうございます。
    コントラバス奏者として入団して35年が経ちました。
    いつも怖い顔をして前列で演奏しています。

     そもそもピアニストになりたくて音楽高校に進み、
    副科で何か別の楽器を選択しなければならず、
    最後までジャンケンで負け続け、最も人気のなかったコントラバスを
    やる事になったというのが私とコントラバスとの出会いです。

    大学在学中からいろんなオーケストラのエキストラとして
    勉強させて頂きましたが、最初に呼んでもらったのが
    関西フィルの母体であるヴィエールフィルでした。
    オーケストラの中でのコントラバスの魅力に取り憑かれ、
    絶対オーケストラに入りたい!と思ってオーディンを受け、
    入団できた時の喜びは今でも忘れられません。

     関西フィルは今年50周年を迎えいろんな企画で皆様に楽しんで頂こうと
    思っていたところにこの事態自粛が始まりお客様の前で
    演奏する事がどれだけ幸せな事なのかを痛感しました。
    少しずつ工夫をしながら、従来の演奏会ができるようになるのを心待ちにしています。

     皆様の応援・ご支援あっての関西フィル、本当に感謝しています。
    これからもどうぞ宜しくお願い致します。

    コントラバス奏者   大野 緑


  • 2020.6.15(月)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0615

    みなさまこんにちは!

    関西フィル50周年記念コラム、今回は“横顔シリーズ”です!
    楽団員や指揮者の、音楽以外の一面を紹介していこうと思っています。

    初回は、第一ヴァイオリン奏者の髙本みわです。
    彼女はかなりの料理上級者なのです!!
    普段から、忙しい本番・練習のスケジュールの合間に家族のためにきちんと
    手料理を作っていましたが、今回の自粛期間の間は、かなり手の込んだ
    料理を作っていたそうなので紹介します!

    テレビ番組では、「赤ちゃん・ペット・食べ物」が高視聴率になる
    要素トップ3とのこと。
    50周年コラムも髙本みわの料理で高視聴率狙っていきます…!!

    まずは絵力爆発のお肉から。

    牛肉のバーベキュー!!
    お庭にバーベキューセットがあり、よくお肉を焼くそうです。
    お肉はやばいですね~。
    眺めていると頭がぼおぅっとしてきますね。。。

    自宅にはスモーカー(燻製器)もあるらしく、それでお肉のスモークも
    よくしているということでした。

    ↓そのスモーカー

    高本家のスモーカー、結構大きい。コピー機くらいありそう。

    ↓これは豚ロースと豚肩ロースの燻製。

     

    次は、思わず「これはお店で食べるやつでは…」とつぶやきたくなる2品。

    「エッグ・ベネディクト」!!
    トーストしたイングリッシュマフィンに、焼いたベーコンとポーチドエッグ
    を乗せ、オランデーズソース(卵黄、レモン汁、湯、少し塩胡椒、バターで
    作ったマヨネーズのようなもの)をかけるそうです~。

    髙本のご主人は、
    大阪フィルハーモニー交響楽団のトロンボーントップ奏者のロイドさん、
    ハワイ・オワフ島ご出身です。
    ロイドさんと一緒に里帰りをしたときにハワイでエッグ・ベネディクトを
    食べて、あまりのおいしさに家でも作ってみたそうです♪♪

    そして「ファラフェル」。
    普通のレストランでもメニューになかなかありませんよね~。
    エジプト、イスラエルなどの中東のお料理です。

    乾燥ひよこ豆を一晩水に漬けて戻します。
    もどしたひよこ豆をフードプロセッサーで細かくして、玉ねぎ、にんにく、
    塩胡椒、クミン、コリアンダー、カイエンヌペッパーを混ぜ、
    冷蔵庫で少し寝かせた後、ピンポン玉より小さいサイズに丸め、
    油で揚げるとのこと。

    そしてヨーロッパでは時々見かけるファラフェルのサンドイッチ!
    (そんなにヨーロッパに行っていませんが)

    ピタパンにトマト、レタスなどと挟み、
    ヨーグルトソース(ヨーグルト、すったキュウリ、にんにくすりおろし、
    塩コショウ、レモン汁、クミン)と、タヒニソース(練りゴマ、レモン汁、
    にんにくすりおろし、水、塩)がかけてあります。ソースが複雑!!

    シカゴの、“ピタイン”という中近東料理のファーストフード店で食べた
    ファラフェルがおいしくて、再現してみようと頑張ったそうです。
    Chicagoのファラフェル」、言ってみたいわ。

     

    最後に時間がかかるお料理を。
    まずは「オックステール・スープ」。オックステール、牛のしっぽですな。

    オックステール(コストコで購入)に塩をまぶしてジップロックに入れ、
    一晩冷蔵庫へ。

    次の日、沸騰したお湯に入れて煮こぼすとのこと。(煮こぼす!?)
    その後、薬味(八角、陳皮、生姜、にんにく)を入れて1時間、
    さらにピーナッツ入れて2時間、弱火で煮ます。 
    (合計3時間以上。ガス料金が気になる。)

    そのまま一晩置き、表面の脂を取って温め直し、
    器に持って香菜(シャンツァイ)を山盛りのせ、生姜醤油で食べる!!!
    2泊3日の行程となります。

    これはテンション上がります、チキンの丸焼き!!

    ブライン液(塩、砂糖、ローリエ、にんにく、粒胡椒、レモン)という
    お肉が柔らかくなる液に一晩漬けます。
    次の日、鶏をよく洗い、スタッフィング(茹でた大麦、野菜、ササミを
    ピラフの様に味付けした詰め物)を鶏の中にパンパンに詰め、
    タコ糸で足をくくります。
    塩胡椒、にんにくバターを表面に刷り込み、香味野菜の上に鶏を置いて、
    200度のオーブンで1時間半くらい焼きます。
    途中、20分おきにスープを鶏にかけ、焼き上がったらアルミホイルに
    包んで20分くらい休ませます。(これは1泊2日やった)

    下にひいていた香味野菜、バター、赤ワイン、醤油、スープの素で
    ソースを作り、切り分けたチキンにかける!
    メリー・クリスマス!!

    お庭でのバーベキュー、
    お肉を焼くのはご主人のロイドさんのお仕事とのこと!

    ↑「私が手伝っている所!」と届いた写真。肉渡しているだけ…?!

    ↓髙本の、普段のお仕事本気姿はこちら♪

    藤岡さんの左にコンマスの岩谷、岩谷の後ろの奏者の、左側(内側)に
    座っているのが高本みわです。(業界用語で2プルのイン)
    また、演奏会で探してみてくださいね!!

    では、また次の「5」の付く日に!!

     

     


  • 2020.6.12(金)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0612

    皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0612
    今回は、オーボエ奏者、高名幾子からのメッセージをお届けします。

     関西フィルが50周年をむかえる事ができましたのは
    これまで支えて下さった多くの皆様のおかけです。
    本当にありがとうございます。

     現在、新種のウイルスによって
    世の中の流れが大きく変化し、
    先々の予想ができない状況におかれています。でも、
    視線の先には未来を見据えています。

     日常だった演奏活動を行うことが難しい
    今だからできる基礎練習(教則本)
    初歩から丁寧に繰り返しています。

     そしてオーケストラの演奏を皆様にお届けできる
    幸せな空間を想いうかべながらオーボエを吹いています。

     皆様、どうかお体を大切にお過ごし下さい。
    1日も早く、コンサート会場でお目にかかれる日が来ますように。

    オーボエ奏者 高名 幾子


  • 2020.6.8(月)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0608

     皆さま、こんにちは!
     50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0608
    今回は、ヴィオラ奏者、新居知子からのメッセージをお届けします。 

     関西フィルを応援してくださっている皆様

     いつもありがとうございます。
    オーケストラというのはみんなで心を合わせて皆様に音楽をお届けするという素晴らしい世界ですが、それができない今、不安とさみしさでいっぱいです。世界中の音楽家がこの未曾有の事態にどうやって音楽をお届けしていけるかを毎日悩んでいると思います。

      このような世の中で私たちにできることは何なのか、コンサートができるような状況になった時、お客様にどのような形なら安心して
    来場していただき音楽をお届けできるのか。
    今、私達はその模索を始めています。

      バブルが崩壊した頃、関西フィルは危機を迎えましたが、
    全国のオーケストラの仲間、指揮者の方々、そしてファンの皆様のおかげで乗り越えて、楽団創立50周年という今を迎えることができました。
    コロナのこの時期を乗り越えて、あの時は大変だったねと言える時が
    来ることを信じています。

     また皆様とコンサート会場でお会いできる日がくることを
    楽しみにしております。

     ヴィオラ奏者  新居 知子