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  • 2020.5.18(月)
    50周年記念コラム
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0518

     皆さま、こんにちは。
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0518
    今回は、ヴィオラ奏者、多田素子からのメッセージをお届けします。

     楽団創立50周年、楽団が総力を賭して迎えようとしていた矢先にコロナによってこのような状態になってしまった事、本当に残念に思っております。

     思えば、私が入団したのは阪神淡路大震災のひと月後の平成7215日でした。
    その折も楽団は大変な問題をいろいろと抱えており、その中での大震災被災に新たな苦しみを抱えた直後でした。

     私も、念願のオーケストラに入れた喜びをゆっくり味わう間もなく、次々と襲ってくる楽団の問題に不安で胸をいっぱいにした事を鮮明に覚えています。

     あれから早くも四半世紀、楽団員一丸となり数々の困難を乗り越えながら、関西フィルハーモニー管弦楽団はこのたび50周年を迎えます。

     ファンの皆様や後押ししてくださる企業の皆様の応援を胸に、どんなに大変な状況に陥っても、楽団員皆んなが本当に音楽を愛し関西フィルを大切に思い、いつでも前向きに活動してきた結果だと思っています。
    どのような状況の時も皆様に楽しんでいただけるような演奏にしたいと全力で取り組む姿勢は、手前味噌ですがどのオーケストラよりも強いと自負しております。

     コロナが蔓延している中、オーケストラの仲間達と音楽ができないという不安で先の見えない苦しい毎日ですが、私は悲観などしておりません。
    なぜなら、今までどんな時もどんな壁も関西フィルはみんなで乗り越えてこられたという実感があるからです。

     音楽は美しいものからも生まれますが、苦しさ不自由さの中からも希望という名で生み出されます。

     歴史を遡ると、パンデミックや世界大戦の時代にあって音楽家たちが表現の機会や場所を奪われたこともあったでしょう。その中にあって音楽家はしっかりと再興を考えていたはずです。音楽の力は大きいのです。

     アフターコロナの世界はもう別の世界。それゆえ今後は全く考え方を変えていかないといけません。音楽家・演奏家としての自分が変えてはいけない部分と、新しい社会環境に変えていくべき部分、しかし、世界は変わっても、観客に対峙する音楽家の熱意は変わらない。

     私は、コロナによって大変な状況になってしまった事により、音楽家皆がより奮起して、今後不死鳥のごとくますます素晴らしい演奏を生み出す力になると信じています。私自身、今後自分がどうあるべきか。
     コロナの影響での活動制限は、私自身についても考える機会と受け止めてこの試練を乗り越えたいと思います。

    最後になりましたが、この騒動の早期終息を祈念し、再び皆様と関西フィルのコンサートでお会いできますよう心から願っております。

    ヴィオラ奏者 多田 素子

     

     


  • 2020.5.13(水)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0513

     皆さま、こんにちは!
    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回は第二ヴァイオリン首席奏者、増永花恵からのメッセージです。

     

     「楽団創立50周年」ものすごく正直に申し上げると、入団4年の私には実感のわかない言葉の響きです。
    50周年の記念演奏会1つ1つ舞台を終えていったなら「50年」という楽団の重みを、喜びをじわじわと感じていたかもしれません。世界中が感染症と戦っている今、演奏家は予定外に時間を与えられ、否が応でも自分自身と向き合わされています。  

     演奏家としてできることを考えています。 その昔、王侯貴族のお抱え演奏家になれなければプロの演奏家、音楽家になれなかった時代、才能はもちろん、複数の楽器を難なく扱い、初見能力も高く、その持ち合わせた高い教養から正しく楽譜を解釈し、軽やかに演奏する技術を持つ者たちがきっと「重宝される演奏家」だったのでしょう。それは今年生誕250年のベートーヴェンが生きていた時代も続いていましたが、彼は王侯貴族に気に入られる音楽ではなく、耳が不自由になりながらも自分と向き合い「芸術」を模索し続けました。

      この感染症が収まるまでの間、一度立ち止まって、これまで歩んできた道のり、これから進もうとする道のり、それを実現するために必要な事をじっくり見極める時間を私は与えていただきました。華やかな舞台に安心して帰ってくるときには、その間耕した栄養でより充実した演奏をできるよう、今精進し続けなければと心を引き締めています。きっとそれが入団年の浅い私に「創立50周年」の関西フィルに出来る唯一の事だと思っています。いつも応援してくださるたくさんのお客様、それから後援企業に支えられ演奏活動をさせていただけることを感謝いたしております。

     近い未来、またすぐに皆様にお会いできる日々を想うばかりです。  

    第二ヴァイオリン首席奏者 増永花恵

     


  • 2020.5.9(土)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0509

    皆さま、こんにちは!

    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回はトランペット奏者、堀川正浩と第二ヴァイオリン奏者、柏山七海からのメッセージです。
    それぞれの音楽への思いを受け止めてください!

     私は30年以上このオーケストラに籍をおかせてもらっています。30年といって長いようですが、あっという間でした。音楽が好きで、トランペットが好きで、どちらも空気のようになくてはならない存在です。時には楽員とぶつかることもありますが、純粋に音楽を愛している人が多くいる関西フィルのことももちろん好きです。

     この楽団にひろってもらって最初は無我夢中でした。まあ、今も無我夢中ですが。楽しいこともあり、辛いこともあり、でも、本当に幸せです。

     いつもその年の最後の第九を演奏直後、「今年もトランペットを吹けてよかった」とステージ上のライトの下で家族の顔などを思いをめぐらせてしみじみしております。定年退職まで数年しか吹けませんが、よき同僚や先輩、後輩と一緒にお客様や家族の為に演奏を続けていきたいです。

    トランペット奏者 堀川正浩

    ♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬

     
     大変な日々が続いておりますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
    関西フィル
    50周年という年に、このような事態になり、つらく悲しい気持ちでいっぱいです。
     今は楽団の皆さんとの活動は叶いませんが、また再開できる日が必ず来るという、熱い想いを持って自宅でのヴァイオリンの演奏は続けております。私は小さい頃からヴァイオリンを始め、学生時代は音楽漬けの毎日で、オーケストラプレイヤーになるのが夢でした。音楽は、私にとってかけがえのない存在です。

     早くこの事態が終息しますように。
    皆様が、ご無事で過ごされることを心よりお祈りしております。

    第二ヴァイオリン奏者 柏山七海

      

     


  • 2020.4.15(水)
    50周年記念コラム 関西フィルNews 事務局からのお知らせ その他
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0415

    みなさま、こんにちは!
    「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」第2回です

    突然ですが、「Toi, toi, toi(トイ・トイ・トイ)」ってご存知ですか?
    欧米では(日本でも!)よくアーティストが、舞台上に出る前に
    成功を祈ってするおまじないです。
    Toi, toi, toi!」と口にしたり、木製のものを3回叩いたり…

    日本で近いものといえば、火打石を切ったり
    『手のひらに“人“の字を3回書いて飲み込む』などでしょうか。

    もとはドイツの魔除けの言葉だそうですが、
    実はこのおまじない、我が関西フィル首席指揮者の藤岡幸夫さんも
    舞台に出る前に必ずやっているんです

    こちらが関西フィルにある、藤岡さん専用“トイ・トイ・トイ板”です!
    (注:板の名前は今勝手につけました…)

    まな板ではありませんよ!!

    藤岡さんは開演直前、いつも
    この板を3回叩き、キスをしてから舞台に出ていきます。

    アーティストのために、木製の板を用意してくださっている
    ホールもあります。
    せっかくなので、いくつかご紹介を。

     

    ザ・シンフォニーホール

    お花の彫りが素敵ですね
    板の右側がすぐ、舞台への入り口になっています。

     

    あいこうか市民ホール(甲賀市)

    毎年開催されるニューイヤーコンサートのために、
    藤岡さん用として作ってくださったそうです

     

    文化パルク城陽 プラムホール

    そしてなんと、こちらは木の升です

    毎年夏と新年にお邪魔しているホールです。
    こちらも藤岡さん用にご用意くださったとか。

    舞台に出る直前の様子です。

     

    そんな『本番前のルーティーン』
    関西フィル楽員編も少しだけ、ご紹介いたします

    ある女性楽員は、
    「本番前には頭が冴えるようミントのタブレットを口にする、
    また、首筋にアロマを塗る」と教えてくれました。
    『集中力を高める』などの数種類の香りを持っていて、
    その時の気分でつけるものを変えているそうです。

    演奏に向けて集中するために、いろいろなアイテムを使っているんですね

    また他の女性楽員は、逆に「いつもと違うことをしない」ように
    心がけているそうです。
    お気に入りの香水は同じものを、もう20年使い続けているのだとか。
    「テンションの調整が上手くいかない時は、
    曲の中に入り込めず身体も上手く動きません。
    舞台に出る前は、冷たい水を飲む。
    コーヒーは神経が過敏になるので避けています。」

    開演前には毎回、「また舞台に立てる幸せを噛み締め、
    心の中で感謝を唱える」という楽員もいました。

    お客さまの前に出る直前のひとコマも、アーティストは
    より良い演奏をお届けするために様々な工夫をしています。
    次に演奏会に行かれる際はぜひ、舞台裏の様子も
    想像してみてください

    それでは次の”5”が付く日まで、
    Toi, toi, toi