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50周年記念コラム~未来の関西フィルへ K.0427

 皆さま、こんにちは。
「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」、今回は首席フルート奏者、
沼田陽一からのメッセージをお届けします。

 2020年、関西フィルハーモニー管弦楽団は創立50周年を迎えました。
 思えば関西フィルは数多くの困難に見舞われながらも、多くの方々や企業からの暖かい支援によって支えられ、やっと迎える事の出来た50周年でした。

 私は1980年に入団し、入団後1年あまりで楽団が二分するような問題が
起こり、創立者であり、当時の音楽監督兼指揮者の宇宿允人氏は辞任、
それに伴い何人もの楽員が去りました。
その時は楽団が消滅してしまう覚悟でおりましたが、支援して頂いている大川創業の大川進一郎代表が楽団の運営を引き受けてくださる事となり命拾いした次第です。

その後1年あまり活動を続け、「関西フィルハーモニー管弦楽団」として
故小松一彦氏を常任指揮者に迎えスタートしました。
現在の指揮者陣になるまで、常任指揮者は6年毎に変わりつつ、周りから
認知される団体になるまで少しずつ成長を遂げて参りましたが、バブル崩壊の煽りや阪神大震災の影響を受け、楽団は経済的窮地に陥りました。
しかし、人員削減ではなく、給料をカットすることで、楽員を守り、何とか活動を続けられてきました。
また、頑張れ関フィルコンサート等で窮状を訴え、たくさんの方々から支持を頂く事が出来ました。
そして現在に至り、やっと創立50周年を迎える事ができ、大変嬉しく思います。

 定年退職を目前にして信じ難いコロナウイルス感染拡大の混乱の中、
楽団の存続が危ぶまれる事態となり呆然としております。
 このようなご時世において楽団の存在自体が問われる状況の中、我々が結束して これから何処に向かって行くのか、支援してくださっている皆様に
強く明確に示さなければならないと思っております。
 
コロナ終息後には関西だけでは無く、日本から必要とされる楽団として しっかり文化的使命を果たすべく努力と進化を遂げて参りたい所存です。

沼田陽一