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  • 2016.7.14(木)
    公演情報 関西フィルNews
    「トリスタンとイゾルデ」、いよいよ明日本番です!

    皆さまこんにちは105498

    昨日13日から、歌手の皆さんとの合わせが始まり、本日、
    練習最終日です。
    下記の写真、初歌合わせ1コマ目から全曲通しまして、
    その後の放心状態の練習場
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    第3幕は約80分、休憩無しで演奏致します。
    独唱の皆さまは8名いらっしゃいますが、その中でもダントツ歌いっぱなし
    なのはトリスタン役の二塚直紀さんIMG_5852-2

    3名の歌手の皆さん、右手前から牧童役の谷浩一郎さん(青いシャツ)、
    トリスタン役の二塚直紀さん(白いTシャツ)、クルヴェナール役の
    萩原寛明さん。
    飯守さんのすぐ後ろに座ってらっしゃるのは、ピアノ稽古のピアニスト
    から、オーケストラ合わせの飯守さんのアシスタントまでこなして
    くださっている小梶由美子さんです。

    二塚直紀さん、2011年5月の定期演奏会、「ジークフリート」第1幕の
    ミーメ役でご出演いただいた時は暗譜で歌われ、新聞や音楽雑誌評でも
    二塚さんの素晴らしいミーメがとても話題になりました。
    今回はタイトルロールの大役をお願いしました!!
    心理的・体力的にもかなりシビアなトリスタン役、ずいぶん前から
    集中して練習されており、きっと練り上げられたトリスタンを
    聴かせてくれること間違い無し

    ”トリスタン”は役名だけではなく、オーケストラの中でも大きな役割が
    あるのです。

    飯守さんが頻繁に
    「みなさん、ここは”病めるトリスタン”です、
     今のはなんだかマイスタージンガーみたいです!!」
    「みなさん、トリスタン和音です!!」と注意喚起してらっしゃいました。
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    この「トリスタンとイゾルデ」には”トリスタン和音”という特別な和音が
    使用されています。
    具体的には、
    ファ・シ・レ♯・ソ♯(ファ・ソ♯・シ・レ♯)
    という4つの音の和音です。
    ご自宅にピアノをお持ちの方は、ぜひ弾いて響きを確かめてください2965

    安定していない、とても不安な気持ちになる響きです。

    飯守さんがとても奥深く難しい説明をしてくださいました。。。
    「トリスタン和音は変化していきたいエネルギーを秘めている
    和音です。でもその動きは解決することはなく、
    (ド・ミ・ソ、のように終わった!という和音になることを「和音が解決する」とよく言います。)
    半音を多様しながら調性は曖昧になり、不安定な状況になるのです。
    ワーグナーは、愛の問題、人の心の問題を描くのにこの作曲法が
    一番良いと思ったのでしょう。
    このトリスタン和音自体が、愛の問題そのもののようにも思います」

    なるほど…

    「このトリスタン和音は、基本的には3幕一番最後にしか解決しません。
    各場の終わりなどに一応解決することはありますが、根本的に精神的には
    オペラの最後にしか解決しないのです。
    このオペラは主役の2人、トリスタンとイゾルデが亡くなって終わります。
    本当の愛は生きている間には得られない、死をもって愛の問題が解決する、
    ということなのです」

    死なないと本当の愛が得られない、とはなんだか救いようの無い感じも
    しますが、トリスタン和音、重要ですね~。
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    勢ぞろいの歌手のみなさん、右手前から谷さん、メーロト役の松原友さん、
    オペラ最後で重要な”愛の死”を歌ってくださるイゾルデ役の畑田弘美さん、
    二塚さん、出番が終わり一休み中の萩原さん、マルケ王役の片桐直樹さん、
    ブランゲーネ役の福原寿美枝さん、舵取り役の黒田まさきさんです。

    12日の記事で少しご説明しましたが、第1場で登場するバンダ
    (オルガン前)のイングリッシュホルン(コーラングレ)は、
    今回、読売日本交響楽団から北村貴子さんに来ていただいています。
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    イゾルデに寄せるトリスタンの想いに共鳴するようなイングリッシュホルン
    のメロディー、オケ伴奏無しの完全なソロです。
    それも結構な長さキリン_m
    芳醇な音色でとても幅広い表現をしてくださっています。
    どうぞお楽しみに

    明日は、17:45から当日券を発売いたします。
    19:00の開演に遅れられますと、ホール内にご入場できなく
    なってしまいますので、お気をつけください。
    18:40からの飯守さんのプレトークを目標にお越しくださいませ

     


  • 2016.7.12(火)
    公演情報
    飯守泰次郎さんの「トリスタンとイゾルデ」第3幕、練習始まりました!

    みなさまこんにちは
    本当に蒸し暑いですね~。梅雨明けはまだ先のようです…。

    この蒸し暑さに負けないくらいの熱い練習が
    昨日から始まりました126715
    今週15日(金)「トリスタンとイゾルデ」第3幕を定期演奏会で
    取り上げます。

    「トリスタンとイゾルデ」は2010年に第2幕を取り上げています。
    究極の愛の物語、いよいよフィナーレをむかえることに

    11日(月)、最初の練習日に飯守さんのピアノによるライトモティーフの
    レクチャーがありました。
    ライトモティーフとは、特定の人物や状況に結びつく短いメロディー
    のことです。

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    トリスタンやイゾルデの愛のモティーフ、死のモティーフ、歓喜の
    モティーフなど、とてもたくさんのライトモティーフが入り組んでいます。
    奏者は、自分が演奏するソロのメロディーなど、何を表現している
    モティーフなのかを細かくチェックしていきます。
    これでずいぶん音楽の見通しが良くなりました

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     さぁ、飯守さんの濃密な練習が始まりました。

    今回は、第1場でパイプオルガン前での演奏があります。
    イングリッシュホルンとホルツ・トランペットをバンダとして演奏します。

    ホルツ・トランペットめずらしい楽器です。
    ホルツ(Holz)とはドイツ語で”木”のこと。木製トランペットですね。
    上の写真の一番奥の台の上で演奏しています。
    演奏するのは白水大介。こんな楽器です

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    ワーグナーが「木製のトランペットを!」と想像して指定した楽器で、
    最近まではそれぞれの奏者が工夫して音色を作っていたそうです。
    (たとえば楽器に帽子をかぶせたりして、”木製”を想像して…)

    最近、ヤマハ株式会社さんが”ホルツ・トランペット”として楽器を
    作製され(さすが世界のヤマハ!!)、今回はヤマハ株式会社さんの
    ご厚意でお貸しいただいています108923
    マウスピースとロータリーシステム(右手のボタン部分)の部分は
    真ちゅう、木製に見えている部分も7割くらいは内部に真ちゅうの
    パイプが通っています。楽器の先端、ベルの部分は完全に木製です。

    第2幕の終わり、周りを裏切った愛ゆえ大怪我を負ったトリスタンは、
    生まれ故郷のカレオールに戻っています。イゾルデとは離れ離れに。

    第3幕の第1場、カレオールの古い民謡をバンダのイングリッシュホルンが
    演奏します。イゾルデを思う気持ちから、いっそう悲しく聴こえます。
    その時、イゾルデを乗せた船が近づいてくるのが見えてきます。
    それを知らせる見張りが吹くのがこのホルツ・トランペットの
    ファンファーレ。
    やはり通常のトランペットとは違う、少し鼻にかかった内向的な
    響きがします。

    第1場だけでの演奏になりますので、ぜひお見逃しなく

    明日から歌手の皆さんが参加されます。
    飯守さんと歌手の皆さんは3月からピアノ伴奏でのお稽古を
    してらっしゃいました。
    すでに練りに練られているはず楽しみです。
    またご紹介します

    ↓ ↓ ↓
    公演詳細

     


  • 2016.6.10(金)
    公演情報 関西フィルNews
    明日は関西フィル合唱団と「天地創造」です!

    皆さまこんにちは
    今日と明日は洗濯日和ですね~。
    そしてお出かけ日和!!
    ぜひ関西フィル定期演奏会にお越しくださいませ

    1987年以来、29年ぶりに定期演奏会にご出演いただく高関健さん、
    ハイドン:オラトリオ「天地創造」を指揮していただきます。

    ”3大オラトリオ”として挙げられることもあるハイドンの傑作ですね。
    神の手による世界のはじまりの物語です

    世界がこのようにおおらかで輝かしい喜びに溢れ、平和に満ちて
    いられたら、どんなに素敵なことでしょうか…126714
    と思わずにはいられない、晴れやかで祝福に溢れた音楽が
    繰り広げられます127293

    第1部・第2部・第3部で構成され、全部で2時間弱の演奏時間です。
    今回は休憩無しで演奏させていただきます。
    開演時刻に遅刻されますと、ご自分のお席に座っていただけませんので、
    どうぞ14:00までにお越しくださいませ。
    (できれば13:40からの高関さんからのプレトークにぜひ!)

    6月8日からの3日間の練習、作品の雰囲気、高関さんのお人柄もあり、
    素晴らしく充実した練習でした。
    歌ってらっしゃるのはバリトンの桝貴志さん。
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    高関さんの正面にチェンバロが~
    そう、今回は高関さんがチェンバロの演奏もしてくださいます。
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    右手でチェンバロの演奏、左手で指揮をしてらっしゃいます。神業…
    「天地創造」を指揮される時は、ほとんどチェンバロの演奏も
    されるとのこと。
    チェンバロの演奏、歌手3人・合唱・オケの把握など、盛りだくさんな
    内容ですが、全てを的確に導いていってくださいました。

    歌詞の内容を大切にされ、言葉に相応しい音楽作りを丁寧にして
    くださいます。
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    そして80人強で参加する関西フィルハーモニー合唱団
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    ブラームス:ドイツ・レクイエム(飯守)、
    ドヴォルザーク:レクイエム(藤岡)、
    メンデルスゾーン:聖パウロ(飯守)に続く、4回目の出演になります5738

    今回、テノール独唱で出演いただく畑儀文さんと高関さんのご指導を受け、
    力強く晴れやかな歌声をお届けできると思います110838

    宝石のような34の小曲で構成されている「天地創造」、合唱、5人の
    登場人物、オーケストラが様々な組み合わせで登場します。

    音色やハーモニーの変化、素晴らしい情景描写をぜひお楽しみください。
    明日は字幕の準備もしています

    当日券は12:45から発売開始致します。

    公演詳細はこちら

    勝手ながら、明日6月11日(土)、関西フィル事務所は臨時休業と
    させていただきます。
    6月13日(月)10:00から通常営業しております。
    ご了承くださいませ。


  • 2016.5.23(月)
    公演情報 関西フィルNews
    明日は、松方ホールでオール・シューマン・プロです!!

    みなさまこんにちは
    初夏のようなお天気が続いていますね~。
    明日までは良いお天気みたいですよ。

    今日まで3日間、みっちりシューマン漬けでした127293
    ピアノ協奏曲と交響曲第1番「春」という、シューマンの中でも
    とても親しまれているオーケストラ作品です。

    シューマンのピアノ協奏曲は、「好きなピアノ協奏曲ランキング」
    でも常に上位の方には入っていますよね
    シューマンの真髄と言ってもいいほどの霊感に溢れた協奏曲です
    今回ピアノを弾いてくださるのは、23歳のレミ・ジュニエさん。
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    ミケランジェロのダヴィデ像にそっくりです!!!
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    ジュニエさん、シューマンの協奏曲をとても深遠に限りなく繊細に
    演奏されています123501
    弱音はほんとに消え入りそうなほどの素晴らしいコントロール109235

    とても印象的な1楽章冒頭、うっとりとろーんとした愛らしさが溢れる
    2楽章、3楽章はシューマンにしかできないのではなかろうか、と思える
    ハーモニーや色彩の変化がありますよね。
    シューマンらしく憂いやフレッシュさが混在するこの協奏曲、
    いつ聴いてもいいものです

    そしてメインは交響曲第1番「春」5738
    きっと”シューマン”と聞かれると、なんだかあっちいったりこっち
    いったり、うねうねしてわかりにくい…、という方が
    いらっしゃるかもしれません。

    でも、この交響曲第1番はすっきりと喜びに満ち溢れ、初めて
    聴いてもすっと心に寄り添ってくれる親しみやすい曲想ですよ
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    各楽章には、その昔、表題が付けられていたそうです。
    第1楽章 春の始まり
    第2楽章 たそがれ
    第3楽章 楽しい遊び
    第4楽章 たけなわの春
    と、これだけでもなんだか親しみがわきますね。

    ゆるりと春が頭をもたげるような第1楽章開始のファンファーレの後は、
    もう春満開です
    そしてデュメイ監督はさらに軽快に溌剌とした流れを重要視しながら
    練習を進めました。

    第2楽章はまさに「春眠暁を覚えず」というような雰囲気です116114

    第3楽章はスケルツォらしく力強く始まりますが、やはりシューマン、
    すぐに木管の歌が聴こえてきます110838

    各楽器が喜びの歌を奏でる第4楽章は、きっと松方ホールいっぱいに
    今日の空のような明るさが広がるでしょう

    そして練習風景の写真が撮れなかったヴァイオリン・ソナタ第1番も
    お忘れなく!!
    大阪近辺のお客様はホールまで少し距離がありますが、どうぞどうぞ
    遅刻されませんよう、お願い申し上げます。
    デュメイのソロは1曲目です

    春のデュメイシーズン、印象的なプログラムで幕を閉じます

    18:00からホール入り口にて当日券を発売開始致します。
    松方ホールの豊潤でありながらクリアな響きをどうぞ
    お楽しみください

    ↓↓↓
    公演詳細

     


  • 2016.5.17(火)
    公演情報 関西フィルNews
    デュメイ監督の定期演奏会、間もなくです!!

    みなさまこんにちは
    雨がやっと上がりましたね

    今週19日(木)の定期演奏会までこのお天気が続きそうです。
    ぜひドイツ・オーストリアの美しい音楽の夕べにお越しください110838

    前半ではヴィオラのソリスト、ミゲル・ダ・シルヴァさんをお迎えし、
    デュメイ監督のソロも一緒にお楽しみいただきます。

    シルヴァさんは、ポール・メイエさん、パスカル・ロジェさん、
    エマニュエル・パユさんなど、そうそうたるアーティストの皆さんと一緒に
    演奏活動をされています
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    音程にまったくブレが無く、少しヴァイオリンに近い華やかでくっきりした
    音色を紡がれます。
    なので、デュメイ監督と一緒にメロディーを奏でる時のこの上ない
    美しさは天にも昇る気持ちに

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    上の写真、モーツァルトの二重協奏曲で、ソロの部分が始まるまで、
    ご機嫌でオーケストラのヴィオラパートを弾いておられたシルヴァさん109598
    オーケストラのメンバーにも色々シグナルを送ってらっしゃいました。

    前半の最後は、シルヴァさんのヴィオラが歌うブルッフの”ロマンス”を
    思う存分ご堪能いただきます。
    ブルッフは、ヴァイオリン協奏曲第1番やスコットランド幻想曲が
    お馴染みで、この「ヴィオラとオーケストラのためのロマンス」は
    あまり演奏されませんね。
    ですが、曲が始まってすぐに”この曲、いい曲~!”と思ってしまうほど、
    とても親しみやすいメロディーで、心をつかまれます~

    ヴィオラのソロ、って聞くとちょっと小難しい感じしませんか??
    いえいえ、演奏時間は10分、珠玉の小品と言って間違いありません

    後半は、ブラームスの交響曲の中でも渋く輝く第3番をお聴き
    いただきます。
    ドイツ的でありながらも、とても甘やかな気持ちにもなることができる
    交響曲です。
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    特に第3楽章116114
    映画で使用されたことで有名ですが、この冒頭メロディーの他の追随を
    許さない突出したロマンチシズム…

    ブラームスのほかの交響曲と違い、4楽章の最後は静かに終わります。
    ぜひ、ザ・シンフォニーホールの素晴らしい残響をお楽しみください

    明日5月18日(水)の17時まで事前ご予約を受付しております。
    関西フィル:06-6577-1381

    公演詳細はこちら