50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0425
みなさま、こんにちは!
「50周年記念コラム~未来の関西フィルへ」第3回です。
今回は、オーケストラの演奏では欠かせない「バンダ」についてご紹介します!
― バンダの世界(1) ―
「バンダ」とは、オーケストラなどで、本来の舞台上の編成とは別に、離れた位置で「別働隊」として演奏する小規模の演奏者(アンサンブル)のことです。舞台裏や客席、色んなところで演奏します。
原語はイタリア語でbanda(楽隊)。英語のband(バンド)に相当する言葉です
作曲家は、ときに舞台上だけではなく、会場の“空間”までも意識した音楽を書くことがあり、
今でいうバンダの形はイタリア・ルネッサンスの教会音楽の時代から既にありました。
ここではホルン4人、トランペット4人がいます。
「チャイコフスキー:大序曲『1812年』より」
(場所/ザ・シンフォニーホール 舞台後ろ客席上、パイプオルガンの両横部分)
音楽のストーリー的に、遠くの方から鳴っている様子や感情を表現したいときなど、演奏効果や視覚効果も考え、作曲家はバンダのパートを生み出します
金管楽器を始めとした、あらゆる種類の楽器のバンダがあり、多彩な表現が堪能できるのが、魅力です。(生演奏の楽しさのひとつです!)
バンダは最低1名から、大きいものだと“軍楽隊(金管バンド)”まであり、
「団体まるごと」レベルのバンダもあります(!)
バンダが入る曲は意外なほど身近に多く、その代表例としては、下の曲たち。
〔関西フィルの演奏機会が多いもの順(独断)〕
・ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
★信号ラッパとしてトランペットがバンダで活躍!
・レスピーギ:交響詩「ローマの松」
★バンダの演奏効果が高く、明るい曲想で演奏会のメインに!
・チャイコフスキー:大序曲「1812年」
★金管バンダのほか、有名な“大砲”パートがあります!
・ベルリオーズ:「幻想交響曲」
★オーボエや、カリヨン(鐘)のバンダがあります!
・ヴェルディ:歌劇「アイーダ」
★“凱旋行進曲”は軍楽隊(会場・音楽的都合等によりゼロ~フルまで可変する)と、
6本のアイーダトランペットの活躍が壮観!
などなど。。
演奏者は、一般的にはバンダで演奏する曲中指定箇所の少し前のタイミングで、舞台裏や客席などの所定位置でスタンバイし、演奏に備えます。準備する裏方を含め、緊張する瞬間です。
レスピーギ:「ローマの松」金管バンダ部隊のセッティング
(場所/ザ・シンフォニーホール:2階サイドバルコニー LDブロック 客席後ろ部分)
こういった客席のバンダは、指揮者が直接見えます。
しかし、舞台裏でのバンダの場合、指揮が直接見えず、オーケストラの音がタイムリーに聴こえてこない時があるため、
指揮者が見える”指揮モニター”と”モニタースピーカー”を用意し、演奏する場合もあります
レスピーギ:「ローマの松」トランペット・バンダのセッティング。
※指揮者を撮っており、その映像がモニターに映っています。
舞台の音もスピーカーから流れてきます。
(場所/ザ・シンフォニーホール舞台裏手)
奥の茶色の扉を開けると舞台方面です。演奏する時はこの茶色の扉を開け、舞台に音を響かせます。
また、舞台袖のバンダもあります。
ヴェルディ:「アイーダ」”凱旋行進曲”より。
※会場条件等により、舞台袖になることもあります。
(場所/文化パルク城陽 「2018年1月 城陽ニューイヤーコンサート」より)
西城陽高等学校 吹奏楽部30超名の豪華なバンダ。同校合唱団も入り、壮大な空間になりました
演奏会で、舞台外から突然、音が聴こえてくる事がありますが、それが「バンダ」なのです!
裏側はこういった仕掛けで動いています
演奏会でバンダを見掛けたら、その演出・舞台との音色の違いなど、是非注目してみてください!
つづきは、いずれまた…
それでは、次の”5”が付く日まで。