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  • 2023.4.17(月)
    関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    木村悦子氏、堀江恵太氏より就任コメント

     2023416日に木村悦子氏がコンサートマスターに、堀江恵太氏がアソシエイト・コンサートマスターにそれぞれ就任しました。
    就任にあたり、二人からコメントをいただきました。

    【木村悦子氏コメント】

     この度コンサートマスターに就任しました木村悦子です。
    私は今までの人生の半分を外国、主にカナダで暮らして来ました。仕事も出産も子育ても夫も(笑)海外仕様です。子供の頃から自分の意見をはっきり持ち、曲がったことが大嫌い、筋の通らないことがあると先生でも物申す、そんなでしたから、集団生活が苦手で、日本が窮屈で飛び出した典型的な人間です。

     飛び出してみれば、外国は思ったよりもっともっと意見を求められ、自分をしっかり持っていないと誰にも相手にしてもらえない。自由な分個人の責任は重く、厳しさを目の前に突きつけられ留学中は泣きくらしもしました。けれど、「変わった子」と言われ続けた私には、室内楽のリハーサル等で、この私が一言も意見を言わずに終わってしまうような、舞台裏でこの人達大丈夫かと本気で心配するような議論、音楽だけでなく、政治論だったりが繰り広げられ、でもその話題が終わると、あんなに怒っていた人同士が笑い合ってる日常、え、そんなはっきり言っちゃっていいの?と言うような、批判的な意見も普通にみんな言ってそれについて議論する人たちの中で、安心して自分が出せたことに、ああやっと呼吸ができると感じたものでした。だから日本が恋しくなるなんて事は絶対ないだろうと思っていました。
    けれど年齢とともに、自分でもびっくりするくらい日本が恋しくなり、今回サバティカルと言うシステムを使って夫と共に定年後ここで暮らすための下準備のような気持ちで帰国しました。

     その間に関西フィルさんとのご縁があり、何度か仕事をしていくうちに関西フィルさんに心の底から惚れ込んでしまいました!
    何より人が温かい!音楽に熱気がある!みんな情熱的!もう楽しすぎて楽しすぎて、団員さんに「もううちの子になれば?」と笑って言われた時、本気で、うちの子になりたい‼と叫んでしまいました(笑)
    その気持ち、はたまた神通力、いや、半ば脅迫的なオーラを醸し出したのか、本当にうちの子になれる事が出来てしまって、今は本当に幸せいっぱいです。

     日本のオーケストラの水準はすごく上がっていて、浦島太郎の私には驚くことが多く、けれども、そんな中で、多分私が向こうで経験して来た厳しさや緻密さ、または大胆さ、個々の意見がありすぎるほどある外国だからこそある、オーケストラとしてのまとまり方に対する厳しさ、そして音楽の作り方、そう言ったものが、関西フィルさんにとってプラスになるように、精一杯努力して行きたいと思っています。

     元々裏表のない元気で明るいだけが取り柄の私で、ハッキリしすぎるほどハッキリしているところへ海外仕様が加わって、団員や事務局の皆様にはギョッとさせてしまうことも多くあるかと思いますし、指揮者の皆様を驚かせてしまう事も多々あるかもしれません。非常識に映ってしまう事もあるかもしれません。自分は今逆カルチャーショック中で(笑)日本の良いところを再認識している最中です。なのでご迷惑をおかけするかもしれません。けれど、お互いに良いところを刺激しあってさらに何倍も良いものを作っていければ素敵だなあと思っています。音楽に対する情熱だけは誰にも負けないと自負しておりますので、その情熱が相互作用で100倍にも1000倍にも膨れ上がり、お客様が総立ちでブラボーを思わず言ってしまう、そんな演奏が出来るように精一杯務めさせて頂きますので、どうぞ今後とも応援よろしくお願いいたします。 
     個人的ではありますが、日本に残りたいという大事な決断に理解を示してくれた夫と家族に感謝の気持ちでいっぱいです。

     最後になりましたが、この素敵な機会を下さった関西フィルハーモニーの事務局、団員の皆様に心からお礼申し上げます。
    あ、余談ですが、外国にいた時の唯一の悩みは、大使館などで大事な行事で演奏したりと言う機会があった時に「関西弁」しか喋れない事でした。喋れないと言うか喋る気がないとも言いますが、一度は関西出身の総領事さんに気を遣わせ思い切り関西弁を話させてしまった私です。

     私は根っからの関西人、そこも含め関西フィルハーモニーを今後とも応援よろしくお願い致します。

     

    【堀江恵太氏コメント】

     この度、アソシエイト・コンサートマスターに就任いたしました、堀江恵太です。

    私は長い間、当団コンサートマスターのギオルギ・バブアゼ氏に師事しており、そのご縁もあって、幼い頃から関西フィルの演奏会に足繁く通っていました。

    そのオーケストラの一員になれることを光栄に思います。

     昨年の6月以降、様々な公演にゲストコンサートマスターとして出演させていただいたのですが、団員の皆さまの雰囲気はアットホームで、ほとんど最年少の私をあたたかく迎えてくださいました。

     これからは関西フィルのコンサートマスターの一人として責任感を持って、真摯に音楽に向き合っていきたいです。そして応援してくださっている皆さまと音楽を通じた交流を深めていきたいと思います。

     ベートーヴェンが「心から出て(願わくば、ふたたび)心へ至らん」と言ったように、皆さまの心に届く演奏を目指して!