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  • 2015.2.11(水)
    関西フィルNews
    なかなか意味深なヒンデミットの曲です!!

    みなさまこんにちは
    13日の定期演奏会に向けて、着々と練習が進んでおります。

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    昨日も今日もチャイコフスキーの4番から、ガツンと練習開始

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    今日からは、ヒンデミットのピアニスト、中野翔太さんに
    ご登場いただいての練習でした

    ”ヒンデミット”と聞いただけで眉間にシワが寄りますよね~
    彼は、2つの世界大戦の間にドイツで活躍した作曲家です。

    しかし、伝統的な調性の枠にとらわれず、自由でありながら緊張感に満ちた
    作品が密かに人気です
    2014年6月に大阪フィルハーモニー交響楽団さんが下野竜也さん指揮で
    取り上げられた「画家マティス」が一番有名な作品、と言えるでしょうか 

    今回取り上げるヒンデミットの作品は「主題と4つの変奏曲”4つの気質”」。
    もともとは、バレエ振付の巨匠、バランシンのために書かれたバレエの
    ための曲で、関西フィルは、ニューヨークシティバレエ団の来日公演で
    過去に2回、オーケストラピットの中で演奏しました

    弦楽器群とソロピアノ、という編成です。

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    タイトルの由来を聞けば、とても興味を持っていただけるはず

    ”4つの気質”とは、古代ギリシアのヒポクラテスというお医者さんが提唱した
    「四体液説」が起源です

    人間は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁、という4つの体液を持っていて、
    その体液がバランスを保っていれば健康である。
    また、これらの体液は人間の気質にも影響を与える、というもの。
    血液は多血質、粘液は粘液質、黄胆汁は胆汁質、黒胆汁は憂鬱質
    という気質を司るそうです。

    この曲は、この4体液が影響を及ぼす人間の気質を題材にして
    変奏曲に仕上げられています。おもしろいですよね~

    実はこの曲、関西フィルから中野翔太さんへリクエストして
    決まったプログラムです。
    中野さん、快く快諾してくださって本当にありがとうございます
    少しお話しをお伺いしました。

    「この曲へのリクエストをお伺いし、早速曲を聴いてみたら、
    すぐにとてもおもしろいな、と思いました!
    演奏するのは今回が初めてです。
    第1変奏”Melancholy(憂鬱質)”はタイトル通り、とてもメランコリック。
    ピアノとヴァイオリン、ピアノとオーケストラとの掛け合いが聴き所で、
    室内楽的なアプローチができればと思っています。
    各変奏の中でも、3つの部分に分かれていて、そのタイトル(気質)に
    潜む3つの部分が表現されているのですが、第2変奏”Sanguine(多血質)”は
    3つの部分の変化が一番激しい変奏です。
    第3変奏のタイトルは”Phlegmatic(粘液質)”。その名の通り、同じ
    モチーフをずっとしつこく繰り返すことで構成されています。
    第4変奏”Choleric(胆汁質、怒りっぽい、野性的な)”は、作品の締めくくりに
    ふさわしい堂々としたフィナーレですね。
    世界中でお仕事をされているポーガさんとご一緒できるのも
    とても楽しみです。」

    孤独で頑固者、という性格も有る第1変奏、楽天的・開放的な第2変奏、
    穏やかだが鈍い感じのする第3変奏、そして野心的で怒りっぽい
    第4変奏(ポーガさん、第4変奏を「僕のようだね」と!!)。

    私達の体が内包してるであろう気質を表していると思うと、
    とても親しみが湧いてきませんか
    ヒンデミットを敬遠してらした皆様、彼を身近に感じていただける
    またと無い機会です ぜひ~

    ポーガさん33歳、中野さん30歳、若き2人が作り出すフレッシュな
    コンサート、ぜひご期待ください

    明日12日(木)の17時まで事前ご予約を受け付けています。
    (関西フィル:06-6577-1381)