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なかなか意味深なヒンデミットの曲です!!

みなさまこんにちは
13日の定期演奏会に向けて、着々と練習が進んでおります。

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昨日も今日もチャイコフスキーの4番から、ガツンと練習開始

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今日からは、ヒンデミットのピアニスト、中野翔太さんに
ご登場いただいての練習でした

”ヒンデミット”と聞いただけで眉間にシワが寄りますよね~
彼は、2つの世界大戦の間にドイツで活躍した作曲家です。

しかし、伝統的な調性の枠にとらわれず、自由でありながら緊張感に満ちた
作品が密かに人気です
2014年6月に大阪フィルハーモニー交響楽団さんが下野竜也さん指揮で
取り上げられた「画家マティス」が一番有名な作品、と言えるでしょうか 

今回取り上げるヒンデミットの作品は「主題と4つの変奏曲”4つの気質”」。
もともとは、バレエ振付の巨匠、バランシンのために書かれたバレエの
ための曲で、関西フィルは、ニューヨークシティバレエ団の来日公演で
過去に2回、オーケストラピットの中で演奏しました

弦楽器群とソロピアノ、という編成です。

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タイトルの由来を聞けば、とても興味を持っていただけるはず

”4つの気質”とは、古代ギリシアのヒポクラテスというお医者さんが提唱した
「四体液説」が起源です

人間は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁、という4つの体液を持っていて、
その体液がバランスを保っていれば健康である。
また、これらの体液は人間の気質にも影響を与える、というもの。
血液は多血質、粘液は粘液質、黄胆汁は胆汁質、黒胆汁は憂鬱質
という気質を司るそうです。

この曲は、この4体液が影響を及ぼす人間の気質を題材にして
変奏曲に仕上げられています。おもしろいですよね~

実はこの曲、関西フィルから中野翔太さんへリクエストして
決まったプログラムです。
中野さん、快く快諾してくださって本当にありがとうございます
少しお話しをお伺いしました。

「この曲へのリクエストをお伺いし、早速曲を聴いてみたら、
すぐにとてもおもしろいな、と思いました!
演奏するのは今回が初めてです。
第1変奏”Melancholy(憂鬱質)”はタイトル通り、とてもメランコリック。
ピアノとヴァイオリン、ピアノとオーケストラとの掛け合いが聴き所で、
室内楽的なアプローチができればと思っています。
各変奏の中でも、3つの部分に分かれていて、そのタイトル(気質)に
潜む3つの部分が表現されているのですが、第2変奏”Sanguine(多血質)”は
3つの部分の変化が一番激しい変奏です。
第3変奏のタイトルは”Phlegmatic(粘液質)”。その名の通り、同じ
モチーフをずっとしつこく繰り返すことで構成されています。
第4変奏”Choleric(胆汁質、怒りっぽい、野性的な)”は、作品の締めくくりに
ふさわしい堂々としたフィナーレですね。
世界中でお仕事をされているポーガさんとご一緒できるのも
とても楽しみです。」

孤独で頑固者、という性格も有る第1変奏、楽天的・開放的な第2変奏、
穏やかだが鈍い感じのする第3変奏、そして野心的で怒りっぽい
第4変奏(ポーガさん、第4変奏を「僕のようだね」と!!)。

私達の体が内包してるであろう気質を表していると思うと、
とても親しみが湧いてきませんか
ヒンデミットを敬遠してらした皆様、彼を身近に感じていただける
またと無い機会です ぜひ~

ポーガさん33歳、中野さん30歳、若き2人が作り出すフレッシュな
コンサート、ぜひご期待ください

明日12日(木)の17時まで事前ご予約を受け付けています。
(関西フィル:06-6577-1381)