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  • 2021.3.25(木)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0325

    皆さま、こんにちは

    50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0325最終回です。
    1年間このコラムにお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
    とりとめのないテーマで書き進めてまいりましたが、
    最後は皆様にお礼の気持ちをお伝えしたいと思います
    関西フィル専務理事、浜橋 元の“つれづれシリーズ”です~。

     

      *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

    昨年4月からスタートしたこの記念コラムも
    ついに今回が最終回となります。
    関西フィル50周年の年は、まさに新型コロナウイルスと
    ともに歩んだ1年となりました。
    この1年を振り返るとともに、今こうしてコラムを書き、
    楽団が演奏会を続けられている現状に対して、
    喜びと感謝の気持ちを伝えたいと思います 

     1年前、2月の定期演奏会を最後に関西フィルの
    主催演奏会は全て中止になりました。
    2年近く前から準備を進めてきた演奏会が
    こんなにもあっけなく中止となるのかと、
    ただただ呆然としたことを覚えています。

     

    50周年シーズンの皮切りとなる4月定期演奏会は、
    デュメイ音楽監督と藤岡首席指揮者の豪華共演を
    予定していましたがこれも中止となりました。
    自宅待機を余儀なくされた楽団員たちは、自宅での
    リモート演奏会、保育園の園庭での金管五重奏の
    ボランティア演奏などを始めました。

    それが多くの方の知るところとなり、「オーケストラは大変ですね」
    「頑張ってください」という励ましの言葉とともに寄附を
    いただけるようになりました。心より御礼申し上げます。
    マスコミの皆さんにもご注目いただき、NHK「サラメシ」の再放送は
    大きな反響を呼びました。
    何と言っても夜のゴールデンタイムの全国放送ですから。
    オーケストラの苦境が全国に知れ渡りました。

    緊急事態宣言が明け、初めての演奏会となった6月の定期演奏会は
    忘れられません。
    舞台上の密を避けるため編成を小さくし、間隔を空けた「試奏」を
    経て迎えた本番。

    2020年627日(土)第311回定期演奏会(指揮:鈴木優人氏)
    (C)s.yamamoto

    お客様の数を制限し、ザ・シンフォニーホールさんと感染対策を
    工夫しながらの再開でした。
    熱狂の拍手を聞きながら、大きな安堵を覚えました。

    そして、大阪のオーケストラの先陣を切って、8月に
    クラウドファンディングを始めました。
    関西フィルが存続するための最後の手段という決意で臨みました。
    記者会見に駆けつけてくださった掛布雅之さんの
    「甲子園の掛布コールのような演奏が続けられるように」との言葉に
    励まされました。

    左から、俳優の辰巳琢郎さん、藤岡さん、掛布雅之さん

     

    クラウドファンディングが順調に進んでいた8月の半ば、
    お盆の最中に関西フィルに衝撃が走りました。
    弁天町の練習場家賃の値上げを通告されたのです。

    それから2ヵ月、移転先を探して奔走する毎日でした。
    結果、門真市・ルミエールホールが受け入れてくださることになり、
    11月、門真市と「音楽と活気あふれるホームタウン協定」を結びました。
    30年弱、住み慣れた弁天町から先日引っ越しをしたことは
    前回のコラムでご紹介した通りです。
    弁天町練習場、最後の練習終了後の記念撮影、
    指揮台あたりには三ツ橋敬子さんも。

     

    結局、50周年の演奏会は、
    2021年123日(日)第58回大阪国際フェスティバルの
    「ワーグナー特別演奏会」と、2021312日の
    いずみホール30周年との共催コンサート、そして
    2021年331日の「三大テノールの宴」のみとなりました。

    3月31日(水)、50周年記念年の最後の最後の日です。
    積もり積もったエネルギーを一気に発散させるべく
    準備してまいりますので、ぜひこの演奏会にお越しください。

    人生は思うようにならず先のことは読めないものですね。
    この1年でわかったことがあります。
    関西フィルを周囲で支えてくださる方々の熱気、
    関西フィルの内部で50年間引き継がれてきた熱気、
    この楽団の外と内が一体となった「熱」の渦巻きが、
    日本のオーケストラの中にあって関西フィルの大きな特徴に
    なっているのです。

    この1年、応援してくださった皆様に心より感謝申し上げます。

    さあ4月から新たな51年目のシーズンが始まります。
    この1年に受けたダメージを抱えつつ、関西フィルは門真市で新たな
    スタートを切ります。
    これからの50年は何が待ち受けているのでしょう。
    文化は、若い世代への教育とともに国の基礎体力を支えてくれるものです。
    そのことを信じて私たちは前を向いて進んでいきます。

    See You Again !

    関西フィルハーモニー管弦楽団
    専務理事 浜橋 元


  • 2021.3.8(月)
    関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    市民の人生に身近なホール/門真ルミエールホール、別府館長へのインタビュー

     202131日より練習拠点を門真市に移転しました。
    そして、門真市民文化会館ルミエール大ホールをお借りしての練習が始まります。

     今回はルミエールホールの館長、別府尚武さんにインタビューさせていただきました。関西フィルがルミエールホールを練習場としてお借りしたいと、初めて聞かれたときの心境や今後の思いなどをお伺いしました。

    おもしろい!!

    「関西フィルさんが練習場としてホールをお借りしたい」と初めてお聞きしたとき、真っ先に思ったことは「おもしろい」でした。実は藤岡さんと同じように「ピン!」ときてしまって()※ 先ず、奏者の皆さまが楽器を持って、最寄り駅からホールまでを歩いている姿が思い浮かび、こんなインパクトがある光景はない、門真市は活気あふれる文化的な街になると。市民の皆さまも音楽や芸術に関わっている方が多いので、門真市の古いイメージが払拭されて、市民に恩返しができる良いチャンスをいただいたと思っています。もちろん、ホールは市民の資産ですから、様々な角度から慎重に判断したうえで、ホールを使っていただきたいと思いました。

     また、市役所の皆さまがどう反応されるかも不安でしたが、宮本市長を始め職員の方は、こちらが驚くぐらい喜んでおられました。驚き過ぎたのか、「騙されてないですよね」と確認されたほどです。これで、私達の決断は間違っていなかったと自信を持つことができました。

     先日初めて、首席指揮者藤岡幸夫さんと話しましたが、一度お会いしただけでファンになりました。気さくで何か頼まれたら断れないようなパワーにあふれています。藤岡さんが「門真だ!」と、私が「おもしろい!」とお互いが閃いた縁を感じます。

    ※練習場としてお借りできるホールがないか、候補を探していたときに、藤岡さんが「門真にルミエールホールがある」と思いつかれた経緯があります。

     

    市民の人生に身近なルミエールホール

     ルミエールホールは門真市に唯一ある劇場です。門真市民の皆さまは人生の中で、何度かホールにお越しいただいたく機会があります。幼稚園の発表会、市民文化祭、成人祭、音楽祭…と、日常的にホールに来る機会が多いのです。

    そして、節目だけでなく、有志の門真市の大学生が中心となり、中学生に勉強を教える「KADOMA中学生勉強会」、小学生のための「宿題カフェ」など芸術活動以外でもホールを利用して頂いています。身近にあってよかったと思えるホールになること、これこそが、今までとこれからの願いです。

     

    今の仕事が誰かのためになるか?

     ルミエールホールはNPO法人トイボックスが運営しています。私達は、「自分と自分の周りの人をHAPPYにすることを目的としたNPOです。「誰かのHAPPYになっているか?」を念頭に仕事をしています。人生の節目にホールに来ることで、ルミエールホールという場所を身近に思ってもらい、そして、またホールに足を運ぶ、このサイクルを生み出していきたいです。

    もう一つ、ホールの役割というのは、「音楽・芸術を疎遠にさせない」です。例えば、ホールでクラシック音楽を聴いた後、疎遠になったとしてもかまいません。しばらくしてクラシックを聴く機会が訪れた際、ルミエールホールで聴いたことが良い思い出として記憶に残っていれば、聴きたくない、嫌いだ、とはならないと思っています。これをきっかけに少しでも興味を持ってもらえれば、ホールが存在する意味があります。

    関西フィルさんにホールを使用していただくという決断が市民のHAPPYになると信じて、この先の展望にドキドキしています。

     京阪古川橋駅の改札を出ると関西フィルの看板があり、ルミエールホールに向かう途中にはフラッグが揺れている、という歓迎ぶりで、大変嬉しく思います。門真市で心機一転、皆さまにクラシック音楽を楽しんでいただけるように、精進して参ります。


  • 2021.3.5(金)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0305

    みなさまこんにちは!
    50周年記念コラムOp.0305

    「横顔シリーズ」“徳岡写真館”の最終回です
    このコラムも残すところあと3回になりました。
    ほんとに1年間も続けられるんかいな、って思っていましたが、
    終わりが見えてきました

    今週末、門真市への最後の引っ越しを行います。
    2月11日からすでに3回くらい、荷物移動を行いました。
    3月8日(月)からは完全に門真市の新しい事務局での勤務が
    始まります

    4月から新生活を始められる方も多いと思います。
    今までとは違った新しい社会での新生活、
    色々と気を遣うことも多くなるのでしょうか。

    「“新しい出発”っていう感じの写真を!」と
    徳岡に依頼したところ、いい感じの写真が届きました~
    新生活と対峙して少しナーバスになった時などには、
    ぜひ見ていただきたい写真です

    この季節には外せない、桜

    ↑丹波篠山の桜だそうです。
    美しい花霞、とげとげした気持ちが丸くなりますね~

    こういう写真を見ると「BGMは何がいいかな~」とか考えてしまいます。
    色々考えましたが、マーラー:花の章で

     

    ↓桜は、全景も超アップもどちらもドラマがありますね。

     

    ↓もちろん、素朴な風景にも桜は溶け込みます。その気高さはそのままに。
     “気高さ”と“素朴さ”で、
     エルガー:「エニグマ変奏曲」から“ニムロッド”ですね。
     佐賀の風景です。

    お次は“パワーみなぎる桜”

    ↑満開×快晴、最強ダッグです

    ↑これはなんだか「あっぱれ!!」と掛け声をかけたくなりますね。
     枝垂桜、余裕が満ちる存在感
     佐賀・武雄市より。

     BGMは難しいからスルー。

     ↑
    と、下書きに書いていたら、徳岡からBGMの提案が。
    ブルッフのヴァイオリン協奏曲第3番の第3楽章と

     

     

    未来に向かって思案しているような、想いを秘めた姿も。

    ↓今治にて。

    ↑姫路の桜。

    もうこれらの写真はドビュッシーの“月の光”ですね、桜ですが。
    やっぱりピアノ曲でしょう
    研ぎ澄まされたショパンのノクターンとか。

     

    “元気出して行こう!”と背中を押してくれる写真もご紹介

    独断と偏見で、「がぜん元気が出る曲」として
    サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番第3楽章。
    デュメイ音楽監督のソロ、326日(金)定期演奏会を振ってくださる
    矢崎彦太郎さん指揮のCDがお勧めです♪♪
    2分半過ぎた長調の辺りは竹の子感あると思います

     

    ↓そしてこの鋭い眼差し!!

    忖度も虚飾も何も無い、未来を見据える瞳。
    守口市での勇気づけられるひとこまです。

    ↓こちらは奈良の月ヶ瀬梅溪

    何を見つめているのでしょうか。。
    このように澄んだ瞳・心で毎日を過ごしていきたいものです

     

    最後は晴れ晴れとしたハッピーイエローを
    大分県・長崎鼻です。

     

    5回お届けした「徳岡写真館」、お楽しみいただけましたでしょうか。

    徳岡カメラマンもありがとうございました!!

     

    お時間ある方は第1回からおさらいをどうぞ~

    第1回 徳岡写真館Op.0705  

    第2回 徳岡写真館Op.0905  

    第3回 徳岡写真館Op.1105  

    第4回 徳岡写真館Op.0105  

     

    気分転換したい時はどうぞ「徳岡写真館」にお越しください

    では、次の“5”の付く日にお会いしましょう♪


  • 2021.2.5(金)
    公演情報 関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    【指揮者変更のお知らせ】3/3(水) 4オケの4大シンフォニー2020~ベートーヴェン生誕250年~

    2021年25

    お客様 各位

    【指揮者変更のお知らせ】

    4オケの4大シンフォニー2020~ベートーヴェン生誕250年~

    公益財団法人 関西フィルハーモニー管弦楽団

     2021年33日(水)「4オケの4大シンフォニー2020」に出演を予定しておりました関西フィルハーモニー管弦楽団音楽監督/指揮者のオーギュスタン・デュメイ氏は、新型コロナウイルス感染症に関する政府の水際対策措置により、緊急事態宣言が解除されるまでは外国人の新規入国が認められないため、残念ながら降板することとなりました。

     代わりまして、関西フィル首席指揮者の藤岡幸夫氏が出演いたします。
     オーギュスタン・デュメイ氏の出演を楽しみにお待ちいただいていた皆さまには、心よりお詫び申し上げます。

     なお、この変更によるチケットの払い戻しはございません。

     本公演は、「クラシック音楽公演における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に従った感染予防対策を講じた上で開催いたします。
     何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

     


  • 2021.2.5(金)
    50周年記念コラム 関西フィルNews
    関西フィル50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0205

    みなさま、こんにちは!

    今回は、元アマチュア・オーケストラ出身の事務局員によります“つれづれシリーズ”
    「アマチュア・オーケストラ」について、つらつらと書きます

     

    【はじめに】

    ここでは、「アマチュア・オーケストラ」の良さ、特徴など、プロとの違いも絡めて書いてみたいと思います。

    国の芸術文化の懐の深さ、文化の隆盛、心の豊かさの底を支えているのは、
    今回テーマの
    「アマチュア・オーケストラ」を含めた、そのジャンルを“趣味”として、愛していらっしゃる方々だと思います。そこから、プロの団体へ発展する事もあれば、そのまま歴史を重ねてアマチュアの矜持を体現する団体もあります

    プロは勿論ですが、アマチュアも含めて活動しやすい土壌がある、、、それこそが本来の“文化度”の成熟した姿であり、その向こうに、音楽に普段なじみのない方々からの、プロ・アマ含めた音楽そのものへの支持が拡がっていくのが、理想の姿ではないかと思っています

     

    【アマオケの歴史】

    さて、日本のアマチュア・オーケストラの歴史はプロオケより古く、
    音楽科以外の一般人によって結成された最古のアマオケ(アマチュア・オーケストラを略して“アマオケ”と言います)は、

    1901年(明治34年)創立の慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラという大学オケです。(藤岡さんは1956年創部の、高校の方の慶應ワグネルご出身!)
    ・市民(社会人)による最古のアマオケは、1925年(大正14年)創立の諏訪交響楽団さんです。

    [プロオケは…]
    ・日本最古は、1911年創立の東京フィルハーモニー交響楽団
    ・世界最古は、1743年創立のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

    現在、全国にある“アマチュア・オーケストラ”の数は、1,000団体以上あります。盛んですね
    日本は、世界有数のアマオケ大国のひとつです。

    一団体約50人としても、5万人前後がプレイヤーとして携わっている事になります。東京だけでも500前後のアマオケがあり、圧倒的な数です。第2位の大阪は60団体以上あります。

    そのどれもが個性が違い、音楽を始めようとされる皆さんのニーズに合わせて選ぶ事ができます。

    プロのオーケストラは、それが職業ですから、一般的な会社と同義で、お給料と生活の為に、仕事をします。(音楽愛がある前提で)本業が“芸術”ですから、そこへの鍛錬は決して怠りません。

    しかしアマチュア・オーケストラは、音楽以外の本業のある“音楽愛好家”の集まりです。(それぞれ別の職業のプロの集まり、とも呼べます。)
    メンバーは、会社員、公務員、主婦、…ほか、あらゆる職業の人々により構成されていて、
    金銭や生活ではなく、トータルすると“音楽への愛(と、人的交流の楽しさ)で繋がっています

    オーケストラはよく、小さな“社会”と捉えられます。
    アマオケで重視されるのは、どちらかというと“和”だと感じます。全員で演奏会をイチから作っていくので、最低限の協調性は必要とされる要素でしょう。
    よって人間関係も大事な部分です(※楽器の技量の方を重視するオケもあります。)
    団体の演奏の技量、コンセプトや雰囲気と自分が合うかどうか、も判断の大事なところになってきます。
    ある意味ではプロオケ以上に1つ1つの団体の個性が豊かで、団体の種類が多いので、初めてアマオケに入る人は、色々迷う事になると思います

    数あるアマオケを探す、便利なサイトがあります。
    ★アマオケNavi
    ★オケ専
    ★コンサートスクエア

    などに、たくさんのアマオケが掲載されていますので、
    一度こちらを覗いてみて、面白そうなアマオケがあれば、是非聴きに行ってあげてください

    【ごく一般的な常設のアマオケの形とは】

    月2~4回、土・日あたりで平均4時間ほど練習(主に合奏)し、
    半年~1年に1回「定期演奏会」を行います。
    (平日夜に練習日を設定しているオケもあり)

    曲は、ベートーヴェン、チャイコフスキー、ブラームス等が多いでしょうか。近年は挑戦的なプログラムのアマオケも増えてきました。

    入団時の楽器経験は、オケによっては初心者OK~中には上級の経験者を求めるところもありますし、音大卒等専門教育を受けた経歴の人が居る事もあります。
    団員数は、平均40~60名程度。年齢層は幅広く、20代~70代くらいまでの人が多いです

    大体、弦楽器奏者数が基準に満たずに募集している所が多く、管楽器奏者は埋まりがちです。

     

    【アマオケの特徴】

    定期演奏会の音楽だけではなく、社会的な繋がり(例えば、チャリティーやボランティア、地域社会のセレモニー機会等による演奏活動、教育など)、生涯学習や、人間交流の場としても、アマオケは素晴らしい力を発揮します。

    音楽の知識に関してはプロ並か、ジャンルによってはマニアック過ぎてほかの追随を許さないような方も、一部いらっしゃいます。

    シンプルに、とても楽しい趣味です。

    愛好家の音楽として和気あいあいと合奏するささやかな喜びを感じる事も出来ますし、ある種、収益やコンディションも考えねばならないプロオケが保守的な選曲になる事もあるのに対して、誰も取り上げた事のない珍しい曲も臆せず挑戦、新しい価値観を提供できる強みもあります。
    今日有名な曲の日本初演がアマオケという例も存在し、例えば東京の老舗アマオケ“新交響楽団” さんは、「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」を日本初演しています

    そして、半年~1年かけて、じっくりと“定期演奏会の曲”だけに取り組める環境があるため、その演奏は、思い切った表現にも繋がり、時にプロをも上回る“感動”を届ける事すらあること、そして派手にコケる時もある、アマオケはそんな未完成で粗削りな人間くささも魅力なのです

    人が肉体を使って表現する音楽は、技術以外にも人間の情念が絡みます。
    人間が、それぞれの想いや背景を持ち、一つの曲に向かって全力で挑んだ結果得られる感動の共有は、
    技術だけではなく、プロとはまた一味違った、クラシック&演奏会の醍醐味を感じられる事でしょう。高校野球を観るような感動
    (入場料も安い!無料の公演もたくさんあります)

     

    【アマオケの基盤について】

    「市民による自主管理・運営のオケ」、これが最も一般的で、世の中の8~9割がこのタイプでしょう。他には都道府県・行政などが管理支援するタイプや、企業による支援管理、ジュニアオケや大学のサークル等々があります。

    市民の自主管理によるオケは明確な母体がないため、自身の情熱が頼り。
    練習会場の確保、金銭面、人材の不足など数々の困難があった上に成り立っています。
    オケは設立より、運営を“継続”する事が一番大変です。(しみじみ)

     

    【常設オケと企画オケについて】

    20年くらい前までは、アマオケ=「常設」の市民オーケストラ、名曲系を演奏する、というものが一般的でした。

    ところが、その流れがここ20年で変わり、新世代が増えてきて新しい潮流も生まれています。複数の常設市民オケ所属の、何割かの有志が中心でメンバーを集める即席オケ、いわゆる「企画」オケ(一発オケ)が急増します。

    「企画オケ」の形は、ある目的のために“一回だけ”の演奏会の名目で楽団を作り、都度団員を集め、演奏会が終わったら解散し、
    また機が熟したら再びイチから楽団員を募集し、演奏会をする不定期開催のオケの事です。
    文字通り、そのまま解散する事もあります

    「企画オケ」は、常設オケのしがらみを超えて、例えば『作曲家“ヴォーン=ウィリアムズ”のみの作品の演奏会をしたい!』、『新作初演を演奏する!』といった、先鋭的で新しい企画が実現しやすく、
    ミュージカルや映画音楽、ゲーム音楽を専門に演奏したい!等のニーズに柔軟に対応できる利点などがあり、昨今のオケの形に新風を吹き込んでいます。

    筆者も現在は、不定期である仕事の都合上、時折企画系のオケに顔を出してホルンを吹く事があります

     

    【アマオケの運営とは】

    基本的に楽団運営も、所属メンバーが分担して行います。

    オケの演奏会で必要なこと…
    ・会計
    ・練習&本番会場予約係、会場打合せ
    ・楽譜係(レンタルや購入、管理、楽員への配布など)
    ・楽器係(レンタルや購入、運搬、管理、保管など)
    ・イベント関係係(合宿など)
    ・広報、デザイン
    ・本番の演奏会実行委員(ステージマネージャー、フロアマネージャー、渉外ほか)
    ・ウェブ関係(HPの運営、Twitterなど)
    ・人事管理
    ・録音、録画など
    ・指揮者、コンマス、トップ、演奏系の会議や選曲、エキストラや指揮者、ソリスト招へいなど
    ・幹部による運営の方針決め

    など、パッと浮かぶだけでも、上記のような内容を、
    アマチュア・オーケストラの人々は、楽団への月団費を払って、自発的に行っています。

    ね、大変でしょう??
    その分アマオケは、成功した時のやり甲斐が凄いのです

    プロオケは「楽団事務局」があり、過去の膨大な仕事の蓄積により、事務局も現場も、ある程度は慣例に基き、効率化されています。
    アマチュアは上記のほぼ全てをイチから、自分たちの手で行っています。
    その情熱には、頭が下がるばかりです。

     

    【最後に】

    日本を代表する作曲家・指揮者で、アマチュア・オーケストラの育成にも情熱をかけた
    芥川也寸志さんの有名な言葉として

    「アマチュアこそ、音楽の本道である」

    というものがあります。
    本質を突いた、素晴らしい言葉だと思います

    本来、“アマチュア”とはプロとの対比の意味ではなく、「愛」とか「愛好家の」という意味があるそうです。
    優れている、劣っている、そういう比較ばかりが先鋭化すると、
    音楽は「専門家だけのもの」となり、敷居だけが高くなってしまうように思います。

    技術的な面、プロ演奏家のこれまでのとんでもない努力と時間、覚悟、専門家の“本気”の価値も尊いですし、
    「代償を求めず、ただひたすら音楽を愛し、それに没入していく心」が尊いとも考えた、日本を代表する音楽家、芥川氏。

    その意味で【音楽はみんなのもの】という言葉も残されていますが、我々も含めて全ての音楽芸術に共通するものとして、改めて皆で大事にしたい部分です。

    ぜひ、我々プロオケも、個性豊かなアマオケも、応援してあげて下さい。
    そして、それぞれの演奏会に足を運んでみてください

    つづきは、いずれ…

    それでは、次の”5”が付く日まで。

    (参考)
    新交響楽団HP、アマチュアオーケストラに乾杯!畑農敏哉著 NTT出版