Page Top

50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0925

みなさま、こんにちは
関西フィル50周年記念コラム、今回から2回続けて
現在実施中の「クラウドファンディング」についてお届けします!
1回目は、楽団事務局員(ある企業からの出向者です)による、
「返礼品」あつめの裏話です。

 

8月19日から、“ONE KANSAIで「関西フィル応援プロジェクト」” というカタチで
「クラウドファンディング(以下CF)」を始めました。


(8月19日に行われた記者発表の様子。左から辰巳琢郎さん、藤岡幸夫さん、掛布雅之さん

この事業、なんといっても「返礼品」と呼ばれる“寄付に対するお礼の品”を
どれだけ揃えられるかにかかっています。
CFを決めたのが6月。それから1ヶ月は返礼品を求める旅となりました。
ここでは3つの品について、ご紹介します。

7月のある晴れた日、京都の五条坂に向かいました。
例年なら、地面が見えないくらい観光客がいるのに
人通りが全くありません。お店も臨時休業中でした。

その五条坂のさしかかり付近に、
京都・清水焼『藤平陶芸』の工房があります。
多くの陶器に囲まれた場所で、窯元の奥様と打ち合わせをしました。
「近くにある、昔使っていた“登り窯”で焼いた一輪挿しがまとまった数あります。
これをお出ししましょう。」


(独特の形をした味わいのある一輪挿し)

“登り窯”とは、16世紀後半に中国・朝鮮半島から伝わった窯の様式で
山の斜面にそって、階段状に複数の焼成室を並べて作られています。

現在は、景観重要建造物に指定されているという登り窯を
見せていただきました。

「どうして使われなくなったのですか?」
「京都市に(公害防止の)条例ができて、薪で火をたくことができなくなったのです。」
鍵を開けていただいた小屋の中には、大きな鯨を思わせる
立派な登り窯が静かに収められていました。
目を閉じれば、窯の中で赤々と火が焚かれ
暑い暑いこの焼成室の中で作業をする陶芸家たちの姿が、
浮き上がってきます。

著名な陶芸家である河井寛次先生も、何度も訪れたというこの窯。
かつてこの窯で焼かれた一輪挿しが蘇ります。

 

続いて聖護院へ。『西尾八ッ橋』の西尾会長にお会いするためです。
大きなお屋敷の玄関に広い土間があり、応接スペースになっていました。

お客は靴を脱がなくても打ち合わせができます。

淹れていただいたお茶に、思わず「美味しい」と口に出していました。
含んだ時に広がる丸みを帯びた香りと口当たりに、
「八ッ橋に合うのだろうな」と思いました。

京都の老舗の女将さんということで、おっとりした女性を想像していましたが、
チャキチャキのエネルギッシュな方です。思わず圧倒されました。
「CFってなに?」「何がいるの?」「そうか。ほなこれは」
「いつまでに用意すればいいん?」
「八ッ橋だけやのうて京都らしいもん探してきたるわ」

テンポ良くあっという間に話が進み、京都の家庭で代々受け継がれてきた
「にほひ袋」を用意してくださることになりました。


(金箔入り八ッ橋と石黒香舗のにほひ袋)

悠久の時が香る京都から、素敵な2つのコースが決まりました。

 

うどんで有名な『道頓堀今井』のセントラルキッチンは、
実は関西フィルの事務所・練習場のある弁天町から
徒歩10分くらいの場所にあります。
暑くなり始めた小雨の降る日、Googleマップを片手に歩いて探しました。

“セントラルキッチン”といっても、外観は5階建てくらいのビル。
業務用冷蔵庫が立ち並ぶ小さな部屋で、営業開発部長さんと打ち合わせをしました。

「コロナで店は大変やねん。新大阪の店なんか
 新幹線のお客さん激減やからえらいこっちゃ。
 でもわしらお中元に強いねん。もうこの時期(7月中旬)、忙しくて忙しくて」

やはりステイホームのこのご時世は、夏でもうどん鍋。
商品に自信のあるブランド力、さすがです。

返礼品について相談すると、
「一番人気のうどん鍋セットにしよ。ご家庭でネギ一本用意せんでも済む。」

と言ってくださいました。
出汁はもちろん、野菜や具材からお箸まですべて揃ったセットで
お鍋だけあれば、ごちそうにありつけます!


(うどん鍋セット(イメージ)

「せやけど消費期限が問題や。新鮮な天然素材しか使ってへんから日持ちせえへん。
 店からお電話して、届ける日をお聞きしてから作って発送するわ」

新鮮さにこだわっているだけあって、期限は3日ほど。
サンプルにいただいて帰ったお鍋は、
かつおだしの風味がすばらしく絶品でした。
ぜひご賞味いただきたい一品です。

 

この他にも、たくさんの方々のご好意で用意できた「お礼の品」の数々。
追加の品も続々と出る予定です。
11月末の締め切りまで、まだまだ先は長いです。皆様の応援、お待ちしています。
https://kansaiphil-crowdfunding.nug-get.jp/

それではまた次回、“5”が付く日に