オケの精神的支えになる音を追求して/ティンパニ首席奏者、中山直音へのインタビュー

5/6(土)東大阪特別演奏会にソリストとしてティンパニ首席奏者、中山直音が出演します。
心境などをインタビューしました。

 

 

ティンパニを始めた理由など経歴を教えてください。

 家にドラムセットがあり、10 歳のときに打楽器を始めました。
音楽家になりたいと、ぼんやり思ったのは中学生の時です。きっかけは、吹奏楽部のトレーナーの方への憧れでした。高 1 から本格的に奏者として生きていくことを意識して、プライベートレッスンに行きましたね。
 そして、大学 3 回生から全国のオケのオーディションをたくさん受けました。私の師匠がオーケストラに所属していて、師匠のようになりたいと強く思ったんです。1 回生の時には既に、私の大学卒業と同時期にちょうど団塊の世代の方が、オケを定年退職する機会だと知っていました。この機会を逃すと 40 年以上ポストが空かないので、ずっと狙っていて、「俺のタイミングだ」と(笑)。
 関西フィルのオーディションには、専攻科を卒業して 1 年後に合格しました。
合格したのは良かったのですが、プロのオーケストラでの演奏経験がほとんどなかったため、入団して 5 年くらいは必死でした。入団後、最初の演奏会がベートーヴェン交響曲第 9 番でした。もちろん初めて担当するティンパニパートだったのは今となっては、いい思い出です。失敗ばかりで何をしても上手くいかない時期もありましたが、それでもがむしゃらに、オケ曲のレパートリ ーを自分のものにすることに専念しましたね。

 

 

ヴェルナー・テーリヒェン:ティンパニ協奏曲を選んだ理由

 初めてソリストとして出演する曲は、絶対にこれにしようと決めていました。実は、私の師匠の先生がテーリヒェンさんで、私が関西フィルのオーディションを受けたときの課題曲でもあり、世界中のティンパニストに演奏されている曲だからです。ソリストに決まったことは純粋に嬉しかったですね。

 

聴きポイントや特に注目してほしいところを教えてください。

 3 楽章は特に注目してください。ティンパニがメロディを演奏するのは、本当に革新的ですよね。
 いつもはオケの一番後ろが定位置であり、一番前で叩くのは、演奏がどう聞こえるのかが不安であり楽しみでもあります。ティンパニを演奏している大きい動作が見られるのは、お客様が眼で楽しめるポイントなので、1 階席後方や 2 階席がおすすめです。

 

今後、どのようなティンパニ奏者になっていきたいですか?

 オケの精神的支えになる音が出せる奏者です。
師匠から「オケを辞める直前に、やっとオケで演奏する(精神的支えになる音を出す)とはこういうことなんだと分かった」と教えていただきました。つまり、40 年以上経って、やっと到達できる境地であり、すぐに答えが出せないですから。ずっと追求していきたいです。
 また、門真市に移転したので、門真市の学生に向けての公演は絶対にしたいですね。関西フィルは楽員同士の仲が良く、公演にかける熱量が半端ないのでそれが演奏に表れています。そこを感じてほしいです。

 

 

お客様へメッセージをお願いいたします。

もう一人のソリスト、角武がフェラン・クルイサン:打楽器協奏曲「花火」を演奏します。
 一日でティンパニと打楽器の協奏曲を聴ける公演は、非常に珍しいです。もし、クラシックは難しいと思っていたとしても、「たくさんの楽器が並んでいるのを見てみよう」みたいな軽い気持ちで来てください。また、色んな音が聴けますので、それを楽しむというだけで OK です!
そして、私とオケと指揮者のアンサンブルをお楽しみに。

 

♪角武のインタビューはこちらからどうぞ

▼チケットは次よりお求めいただけます。
・WEB⇒https://yyk1.ka-ruku.com/kansaiphil-s/

・お電話⇒06-6115-9911
 (関西フィル事務局 平日 10:00-17:00、土曜 10:00-16:00)