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2021年度音楽クリティック・クラブ賞

 創立50周年を記念して企画し、朝日新聞文化財団様と共催しました、
58回大阪国際フェスティバル2020 
飯守泰次郎×関西フィル「ワーグナー特別演奏会」が2021年度音楽クリティック・クラブ賞を受賞し、授賞式が行われました。

 2001年の常任指揮者就任以来、飯守さんと演奏会を創り上げてきて、記念すべき創立50周年の演奏会で受賞したことを光栄に思います。
先日のブルックナー・ツィクルス最終回も無事に終えることができ、今後も飯守さんとの公演で皆さまを元気づけられるよう精進いたします。

贈賞理由

「関西フィルは一昨年創立50周年を迎え、それを記念する公演として、国際フェスティバル協会と共催で、大規模な「ワーグナー特別演奏会」を企画した。コロナ禍で縮小されたとはいえ、4つのオペラの抜粋という形で実現されたのが本公演である。飯守泰次郎と関西フィルは《ワルキューレ》第3幕、《ジークフリート》第1幕などを演奏会形式で成功させてきた。そうした両者の長年にわたる活動の総集約といっていいような見事な出来栄えであった。飯守と関西フィルの響きには独特の粘着力があり、ワーグナー音楽のはらむドラマを立体的に構築し再現する。オケのみの「タンホイザー序曲」の巡礼の祈りとヴェーヌスの官能性、「トリスタン前奏曲」の無限旋律による内から突き上げるような高揚、「ジークフリートの葬送行進曲」の錯綜したモティーフによる悲痛な音調など、ワーグナーを聴く醍醐味を存分に味わわせてくれた。独唱者との「ヴォータンの告別」のブリュンヒルデに今生の別れを告げるヴォータンの切々たる惜別の情や、「ブリュンヒルデの自己犠牲」の呪いと世界苦を浄化する清澄な救済の音楽表現は、深い感動を聴き手の心に残した。飯守泰次郎の巨匠の芸と関西フィルの融合したワーグナー演奏を高く評価し、本賞を贈ります。」