「絶対にスネてはいけない」/文化パルク城陽西田さんへのインタビュー

 2020年11月に開館25周年を迎えられる文化パルク城陽。
関西フィルの公演をご担当くださっている西田陽子さんにインタビューをさせていただきました。昨年もインタビューをさせていただきましたが、変わらず藤岡幸夫さん(関西フィル首席指揮者)の大ファンで、仕事への情熱に溢れていらっしゃいます。
新型コロナウイルスの影響に負けない力強いお言葉を感じてください。

 開館25周年を迎えるための企画や準備を進めていたときに、新型コロナウイルスの影響が及んだため、周年事業を考える前に決定していた催物の中止の対応に追われています。せっかくの記念の年に残念で悔しい思いをしていますが、改めて、文化パルク城陽が25周年を迎えられたことを感謝しています。

 中止・延期の対応に追われて、まだまだ先の具体的な方向性は決まっていません。
しかし、「絶対にスネてはいけない」この言葉が私を励ましてくれ、仕事をすすめる上で常に念頭にある言葉です。これは藤岡さんが高校生への合唱指導で厳しく叱った後におっしゃっていた言葉で、叱られたからといってへそを曲げてはいけない、合唱と向き合わなければいけないと、叱ると同時に励ましておられました。これが私の心にも強く響きました。高校生におっしゃられた状況と違うかもしれませんが、コロナのせいで何もできないと、今の状況と向き合わないでいるとその時点で終わりです。

 だからこそ、改めて私達の役割は何かを考えました。それは開館に関わられた方やアーティスト、主催者の思いや夢を繋いでいかなければいけない使命があることです。例えば、関西フィルさんの公演を例に挙げると、毎年恒例の第九公演です。一つの公演を創るために100人以上の方が関わり、その情熱に圧倒されました。たった2時間の公演に、これほどまでに情熱を注いで創っていく過程は、お客様に楽しんでいただきたいというエネルギーに溢れていました。創る側の情熱が伝わっているからこそ、お客様も毎年楽しみにされています。ですから、なんとしてでも文化パルク城陽での公演や催物を絶やしてはいけない、文化パルク城陽は地域の方やホール関係者の皆様、主催者様と一緒に催物を創り、これからも創っていく使命を受け継いでいきます。

 

 

8月23日第10回城陽定期演奏会にお越しくださるお客様のなかには遠方の方もおり、驚いています。これは関西フィルを応援したいという現れだと思います。短い時間かもしれませんが音楽を堪能していただける時間を持っていただけたらという思いと再開館後、初の公演ですので、全スタッフが感謝の気持を込めてお客様をお迎えします。

 

 

 8月23日(日)第10回城陽定期演奏会

 開演14:00(開場:13:00)
 指揮:藤岡幸夫
 Pf:三浦謙司
 プログラム
  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 
  シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43