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  • 2021.6.4(金)
    関西フィルNews 事務局からのお知らせ
    文化芸術を守るにはアマチュアを育成しファンを広げる/門真市長へのインタビュー

     5/18()より門真市による「ホームタウンサポーター制度」の登録が始まっています。こちらは市役所職員様のアイデアで、関西フィルを応援するために創設してくださいました!
     そこで、今回は門真市長、宮本一孝様にインタビューをさせていただきました。気さくで話しやすく、自らの経験をもとに文化芸術に対して深い造詣をお持ちでした。

     

    門真市長、宮本一孝様() 当楽団専務理事、濵橋元()
    市長の大学時代の芸名は「爪田家忠拝(ツメタヤ チュウハイ)

    驚き、なぜ門真に?

     関西フィルさんが門真市に移転すると聞いて、正直「なぜ?」と驚きました。
    門真市は、江州音頭や河内音頭などの盆踊りをはじめ大衆文化が盛んだった地域なので、クラシックとは縁が薄く、「敷居が高いのでは?」と感じていました。しかし、クラシック文化を根付かせたいと思っている市民や団体は市内にたくさんおられますので、この巡り合わせは大変ありがたいです。門真のつながりのある方や企業が、関西フィルさんのファンや支援企業へと広がっていくようにしていきたいですね。

    5/18(火)に「ホームタウンサポーター制度」を創設、その経緯

     「関西フィルさんが門真市に移転された」だけにとどまらず、市民と関わりを持てるようにできたらという思いを持っています。関西フィルさんの応援方法を市職員にアンケートをしたところ、「目に見える支援の形が必要」との声が多く、この制度を創設しました。古川橋駅前の看板とルミエールホールまでの街路灯のフラッグの設置も職員のアイデアによるものです。このようにして、市民と関西フィルさんとの「つながり」を持てるように情報発信を続けていきたいと思います。

     

    「ホームタウンサポーター制度」の詳細はこちら⇓

     

    5月末時点で登録件数は85件です。
    ご登録いただいた皆さま、ありがとうございます
    門真市HPからご登録いただけます。

    2/11に開催「ホームタウンパートナー協定締結記念コンサート」のご感想

     1時間の中で、テンポよく色々な弦楽曲を聴くことができ、楽しめました。曲間のMCで、どのような背景や構成で作曲されたかを知ることで、ダイレクトに曲が響くように感じました。特に映画音楽は観たことがある作品の曲なので、より伝わってきましたね。また、ルミエールホールの小ホール(250)で開催されましたので、奏者との距離が近く表情も見ることができたのが、対話をしているような感覚でした。とても心地よかったです。このようなプログラムは、クラシックに馴染みがない方への入り口になるのではないかと思います。

    ♬Youtubeでご覧いただけます♬

    <プログラム>
    ♪エルガー:愛の挨拶  6:05
    ♪ドヴォルザーク:ユモレスク 11:25
    ♪ヴィヴァルディ:四季より「春」 第1楽章 15:14
    ♪チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ 22:12
    ♪ホルスト:「セントポール組曲」より第4楽章“ダーガソン” 29:34
    ♪久石譲:「魔女の宅急便」より“海の見える街 35:33
    R・ロジャース:シャル ウィ ダンス? 40:23
    ♪モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス 45:12
    ♫モンティ:チャルダッシュ 53:00
    (市長オススメの曲。強弱がハッキリしていて、飽きがきません)
    ♪J・シュトラウス():ラデツキー行進曲 1:01:35

    大学時代は落語研究会に所属されていたそうですね。

     先ほど、話しましたように門真市には下町情緒あふれる大衆文化が根付いていました。小学生の時に、実家の前の門真神社の秋祭りで太鼓台や獅子舞が復活し、そこで獅子舞の横笛を始めたことをきっかけに、天神祭ではお囃子方のアルバイトをしたこともありました。大学では横笛ができるサークルがなかったので、流れついて落語研究会に入りました。体育会系以上に厳しく、昼休みに入ればラジオ体操、発声練習の後、順番に落語を披露して、先輩にどやされ続けるという毎日でした。落研にいたからこそ気づいたことは、アマチュアである学生落語の経験者が目の肥えたファンとなり、寄席や噺家を支え、より良い文化芸術の育成に一役買っているということです。

    文化芸術を守るにはアマチュアを育成し、ファンを広げることが大事

     行政は文化の芸術性や良し悪しを見極める機能も能力も持ち合わせていません。どのような文化を残していくかはそれらを支えるファンが決めることです。行政ができることは文化芸術にふれる場と機会を作るとともに情報を発信していくことです。その結果、活動の担い手づくりや文化芸術に愛着を持ってもらえるものと考えています。
     要は、落語なら「落語研究会」のようなアマチュアを育てる機会を作り、育成する作業をしなければいけません。落語は日頃から接することがないため、落研のようにサークルやクラブなどで学生時代に経験する機会を作る事が大事で、そこから「プロになる人」「アマチュアを続ける人」「ファンとしてプロを支える人」に分かれていきます。このようにして「落語」という伝統文化であり大衆文化に総合的な広がりや、根付きが生まれてくると思います。
     つまり、落語に関わる人が残り、受け継がれていきます。オーケストラでも、同じ事が言えるのではないでしょうか。プロのオーケストラが近くに在るという事は、音楽に携わるアマチュアにとっても大きな効果が期待できると感じています。
     今後、様々なイベントや学校教育の場を通じてオーケストラに触れる機会を増やし、クラシックをはじめ様々な音楽文化が市内で盛んになり、そのうえで地域全体の活性化につながっていくことになれば、とても嬉しいですね。