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芸術の秋にふさわしい9月定期です!

みなさまこんにちは
毎日どんどん秋に近づいていますね。

深まる秋にふさわしい曲目の定期演奏会を20日に開催します。
とにかく指揮者も曲目も燻し銀のように渋いのです・・・

指揮者のヴォルフラム・クリスト氏、22歳の若さでベルリン・フィルの
ヴィオラ首席奏者に就任し、その後21年にわたってヴィオラセクションを
リードしていらっしゃいました

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カラヤン、ヴァント、ザンデルリンク、バレンボイム、ブーレーズ、マゼール、
小澤征爾やアバド・・・、まさしく”偉大な巨匠”と時を共にし、
巨匠の音楽を身を持って体験してこられたクリスト氏

そう思うと、今回のこのシブイ曲目が光り輝いて見えてきますね
きっと、ベルリン・フィルで数えきれないくらい演奏を重ねられた
R.シュトラウスとシューベルト。楽しみです

クリスト氏、2012年9月7日(金)の第241回定期演奏会に
デュメイの代役で来ていただいたのが関西フィルとの初共演です。
その時、音楽に妥協せず確固としたスタイルを楽団に残してくださりました。
楽団員から「楽団のためにぜひ再共演を!」との要望が多くあり、
今回の公演にご出演いただくことになりました。

関西では、指揮者とのしてのクリスト氏はあまり浸透していないかもしれません。
練習の合間に色々聞いてきました

-2012年に初めてご一緒させていただいて今回が2回目、
 関西フィルはいかがですか?

前回は時間があまり無くで大変だったけど、とても充実していたね。
関西フィルも集中してくれて、なんというか、「目覚めた」ような感じがしたよ。
関西フィルが僕を信頼してくれている事が解ってからは、オーケストラに力強さを感じたよ。
2012年の本番の舞台上でも、お互いに信頼関係を感じられた。

-今回のプログラム、さまざまな思い入れがお有りだと思いますが。
  最初のドヴォルザークの「真昼の魔女」、日本ではあまり演奏されないんです。

そうだね。チェコではとても親しまれているようだけど。
私が初めてオーケストラを指揮した時に振った曲なんだ。
大好きな曲で、それから定期的にプログラムに組み込んでいるよ。
最後に子どもが亡くなってしまう悲しいストーリーだけど、人物表現が
素晴らしくて、演奏する度に新しい発見があるよ。
朗読付きやお芝居で上演しても良いと思うくらい、メルヘンの世界だ。
子どものためのコンサートに組み込みたいと思っているんだ。

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(オーボエによる子ども、クラリネットのお母さん、バスクラリネットの魔女の表現など、
本当にやり取りが聴こえてくるようです!!)

メタモルフォーゼンはカラヤンと本当に何度も演奏したよ。
彼のR.シュトラウスの曲に対する演奏の仕方や流儀はとても印象的でね。
カラヤンがオックスフォード大学から名誉音楽博士号をもらった時、
そのお礼として彼と大学にいってこの曲を演奏したりした。
ドイツ人音楽家にとっては特別な曲だ。

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(メタモルフォーゼンには「23の独奏弦楽器のための」という言葉が付いています。
弦楽器奏者23人で演奏するのですが、全て違うパートなのです!!なので、
奏者1人につき1つの楽譜を見ています。最初のオケの写真では2人で
1つの楽譜を見ていますね。)

シューベルトの「ザ・グレイト」も大好きなシンフォニーだ。

ファゴットとヴィオラがミステリアスな第1楽章、2楽章では、混沌とした部分からの大休止、
その後の流れ出る美しい弦楽器達が聴き所だと思うよ。
3楽章の途中、ワルツになるんだけど、普通では考えられないアクセントが時々出てくる。
そこにアイロニーを感じるね。
4楽章はとても活動的な楽章だね。シャンパンの泡のような自由で溌剌とした
リズムに溢れている。

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(シューベルトの練習では「ノーブルに!!」という言葉をよく使われているそうです。
力強くもとてもエレガントな仕上りになりそうです。また、今まで、したことのないような
練習の仕方をしてくださり、曲の構造がすっきり明確になったとのこと。)

-2012年にいらした時、ビゼー、ドヴォルザーク、チャイコフスキーなどを
指揮していただきましたが、その時も対向配置(両翼配置)でしたね。
何かこだわりが?

対向配置にすると、チェロとコントラバスがずいぶん聴衆の方を向く
でしょう?音が出るF字孔が客席を向くよね。
チェロとコントラバスはオーケストラの基盤となるもの。この2つのパートの
音を集め、しっかり届けたいんだ。
ヴィオラも客席に向かうから良い音になる!!
色んなオーケストラがあって、この配置の要望を断られることも
あるけど、私はこの配置がいいと思ってるよ。


-マエストロにとって音楽とは。

音楽は私の人生の重要な大部分を占めている。作曲家の意思を汲み取り、表現して聴衆に
伝えるのが私の役目だと思っている。
作曲家と聴衆をつなげるのは奏者や指揮者であり、曲の意味や作曲家の意思を
聴衆に伝えるのは非常に重要な事だ。

趣味も音楽だね。あ、料理や読書も趣味だけど。

音楽ホールでの演奏会は、家でCDを聴くのとは違って、演奏者と
気持ちを共有することができると思う。
ホールという非日常の空間でぜひ生の演奏を楽しんでほしい。

        

練習でお疲れのところ、たくさんお話ししてくださいました。

第259回定期演奏会、明日19日の17時まで事前予約を受け付けています。
関西フィル:06-6577-1381

当日は12時45分から当日券を発売致します。

ぜひお越しくださいませ

【関西フィル第259回定期演奏会】

[日時]2014年9月20日(土)14:00開演 (13:00開場)
[出演]指揮:ヴォルフラム・クリスト

[プログラム]

◆ドヴォルザーク:交響詩「真昼の魔女」作品108
◆R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)
 ~ 23の独奏弦楽器のための ~
◆シューベルト:交響曲第8(9)番 ハ長調 D.944 「ザ・グレイト」

※出演者、曲目、曲順など、内容が変更になる場合がございます。
あらかじめご了承ください。

入場料:
S席¥5,000/A席¥4,000/B席¥3,000/学生席(25歳以下)¥1,000(全席指定・税込)
※学生席は関西フィル・チケット受付でのみご予約承ります。

 

関西フィル:06-6577-1381