2024年度ライジングスター・プロジェクトで優秀賞を受賞された林成(リン セイ)さんへインタビューさせていただきました。
最初から最後まで「チェロが好き」という気持ちが溢れたインタビューでした。
林さんの演奏で8月11日Meet the Classicを楽しんでください!

優秀賞を受賞された大屋響さん、林成さん、十河七海さん
ドヴォルザークのコンチェルトを演奏したいと憧れていて、関西フィルの皆様と再度、共演したいと思っていました。
3年前に共演したときに、オーケストラと合わせる回数も少なかったのに、私の演奏に合わせていただいて、すごく楽しかったです。
3年前は主催者側から藤岡幸夫さんにキャスティングのオファーをされました。
今回は、ご自身でライジングスター・プロジェクトへ応募されていますが、前回と心境はどう変わられましたか?
共演時は小学6年生で自分が考えたことをそのまま音にしていました。
今は、作曲者の意図や当時の演奏はどうだったかを考えて演奏するようになりました。昔の演奏を聴くと、音に説得力がなかったり、楽譜と全然違う演奏をしていたりで。
8月11日Meet the Classicで演奏する曲は、ドヴォルザークの気持ちがそのまま乗っかっている曲なので、そこを伝えられたらと思います。
ライジングスター・プロジェクト実演審査で出番を待っているときに、笑顔でいらっしゃったことが印象に残っています。本番前は、あまり緊張されないんですか?
緊張はしますが、それを表に出さないようにして、いい演奏をするのはもちろん、今創っている音楽を楽しむことを心がけています。
走って心拍数を上げて体を温めて、「これから頑張るぞ!」と自分を落ち着かせてもいるんですよ。
チェロを始めたころは緊張していて、でも、一番初めのリサイタルの途中から「楽しい」と思えました。
優秀賞受賞では、関西フィルと共演できると思って楽しんで演奏したことを認めてもらえたうれしさがありました。
チェロ以外の好きなことをお伺いしましたが、やっぱりチェロに関わることでした!

エンドピンをチェロに納められるギリギリまで長くして、できるだけ床と水平になるようにしました。
他にも駒の真ん中に切り込みを入れて、D線とG線が独立するようにしました。
こうすると、この2本の音がはっきりするんです。
4本ある弦のうち両端は、駒に切り込みがあるのでよく鳴ります。
ならば、2本を支えている駒の真ん中に切れ込みを入れたら、同じように鳴るのではないかと思いました。
どちらかというとヴァイオリンのような音が好きなので。
ほとんど知られていないチェロの曲を探す(チェロのために書かれた曲が大好き)
ご存じですか?いつか演奏したい!
◇ヒナステラ:チェロ・ソナタ
◇ベートーヴェン:チェロ・ソナタ(グランド・ソナタ)
他にもチェリストやチェロの歴史について調べるのも大好きで、チェロ仲間からは「楽器オタク」と呼ばれています。
他の人には絶対負けない魅力
指揮、藤岡幸夫さんが音楽家になるには、他の人には絶対負けない魅力を2つ以上持っておくべきと仰っていましたので、お伺いしました。
「個性」
楽しい演奏をしていると思えるところ、自分にしかできない演奏スタイルや音の質
ヴァイオリンのような高い音が好き、だから、駒を猫耳にしました。
「演奏方法」
「魅せたいところを魅せる」やチェロでも華やかな音が響くように演奏します。
ビブラートや弓の使い方で「そんな風に弾くの!?」と思わせる弾き方を取り入れています。Meet the Classic公演でも、楽譜にはこう書いているがドヴォルザークの自筆譜では違う指示をしている、というところがあるので、「そこ、音が違う!」と気づいてもらえたら嬉しいです。
お客様へメッセージ
ドヴォコンはチェロを始めた時から弾きたいと思っていて、深い感情と旋律が交錯する名曲なので、自分が今、できる全てを込めて演奏します。
今までは弾きたいように演奏していましたが、作曲者の意図を汲むことを重要視しているところも感じていただきたいです。
以前に藤岡先生から「あとは音量だけだね」と言われたので、そこも成長していると思います。
同じソリスト、十河七海さん、大屋響さんへのインタビューはこちら
Meet the Classic Vol.49
- 2025年8月11日(月・祝)
- 15:00開演(14:00開場)
- 住友生命いずみホール
- 指揮&お話:藤岡 幸夫(関西フィル総監督・首席指揮者)
- ヴァイオリン:大屋 響
- チェロ:林 成(リン セイ)
- コントラバス:十河 七海
[プログラム]
【第1部】
~ライジングスター・プロジェクト2024優秀賞3名とのフレッシュな協演~
●ラーシュ=エリク・ラーション:コントラバス・コンチェルティーノ 作品45-11〔十河〕
●ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 より 第1楽章〔林〕
●ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 より 第3楽章〔大屋〕
【第2部】
●シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 作品97 「ライン」
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