50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.1115

皆様こんにちは!

本日11月15日は、いずみホールで公演を開催いたしますが、
その前に関西フィル50周年記念コラムOp.1115をご覧ください

今日は”つれづれシリーズ”として、
自衛隊音楽隊出身の事務局員の思い出です~。
音楽・時代的なこともあり、NHK連続ドラマ小節「エール」に
はまっているようです

 

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今年の10月には祝日がありませんでした。

10月第2月曜日に設定されていた「スポーツの日」が、
東京オリンピック開会式の開催予定だった7月24日に
移動したからです。

私の年代で10月の祝日と言えば、1010日の「体育の日」です。
1964年の東京オリンピックの開会式が1010日だったので、
これを記念して制定されました。
当時テレビに見入ってワクワクした記憶が蘇ります。

この「体育の日」は2000年から10月の第2月曜日に、
そして今年2020年から「スポーツの日」に改められました。
ハッピーマンデー制度や国民の休日
(祝日と祝日に挟まれた平日を休日へ)、
振替休日で連休・休日が増えるのは嬉しいですが、祝日制定した経緯や
本来の意味合いが遠退くようで少々寂しく感じてしまいます。

ここで改めて、1964年の東京オリンピックの開会式について
振り返ってみました。
現在、NHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデル、古関裕而作曲の
”オリンピック・マーチ”がドラマの中でいかに描かれるか、
こちらも楽しみですが、1964(昭和39)の開会式、選手入場行進では
このオリンピック・マーチだけが演奏されたわけではありません。

古関 裕而作曲「オリンピック・マーチ」、
タイケ作曲「旧友」、
アルフォード作曲「後甲板にて」、
スーザ作曲「海を越える握手」、
プランケット作曲「サンブル・エ・ミューズ連隊」、
團 伊久磨作曲「祝典行進曲」、
シュタルケ作曲「剣と槍」、
スーザ作曲「エル・カピタン」、
タイケ作曲「ツェッペリン」、
ビゲロー作曲「われらの先駆者」、
モルネー作曲「連隊行進曲」、
ドゥーブル作曲「ブラビューラ」

上記の順番で繰り返し演奏され、日本選手の入場の際には
「オリンピック・マーチ」に切り替えたそうです。

米英独仏の名だたる行進曲が選曲されたようですが、選曲の過程は
分かりません。
この、選手入場行進の演奏曲名はほとんど資料が残っておらず、
Youtube等の開会式の映像は、ずっと「オリンピック・マーチ」
が使用されています。
上記の曲名は、この開会式で演奏していた先輩から教えてもらいました。

ところで、この「オリンピック・マーチ」の終結部で突然日本的な旋律が
現れます。
作曲者本人はこれに関して何も言及していないので、
5秒ほどのこの旋律の断片は、「君が代」の終わりの部分、
雅楽「越天楽」、唱歌「紀元節」の冒頭、などの推測がなされています。

「紀元節」は、初代天皇 神武天皇の即位の日をもって定めた祝日で、
現在の「建国記念の日」211日の由来となっています。

1940(昭和15)に開催が決定していた「東京オリンピック」は、
日中戦争の影響で開催権を返上したため実現しませんでした。
この幻のオリンピックは、
神武天皇即位の年から数える紀元二千六百年記念行事として準備が
進められていたということです。
古関裕而は、この紀元二千六百年を象徴する「紀元節」の旋律を
「オリンピック・マーチ」に登場させて、昭和39年と昭和15年を
結び付けたという説があります。

戦争によって大きく変貌した日本。
古関裕而の真意はわかりませんが、戦前への郷愁、
日本の歴史・伝統文化への想い、
そんな想いを伝えようとしたのかもしれません。

来年の東京オリンピックは新型ウィルス対策をはじめ、経費削減など
開催に向けて検討が進められていますが、
どのような開会式でどんな音楽が奏でられるのか、
そしてオリンピックに関連する文化プログラムの行方も気になります。

オリンピックは延期できますが、関西フィルの創立50周年は2020年、
今年です。
シーズンプログラムもこれまでのほとんどが変更しての実施に
なっています。
残された2020年度を少しでも充実した記念事業にしたいものです。

ところで、このシーズンプログラム(定期演奏会の一覧チラシ)はご覧に
なりましたか?
このパンフレットには隠し文字が仕込まれています。
各公演のサブタイトル、すべて横書きの文章ですが、縦に一文字ずつ読むと
50周年の文章が読み取れるのです。
ぜひ探してみてください。

 

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それでは今日はいずみホールで、
そして次の”5”の付く日にお会いしましょう!!