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50周年記念コラム~未来の関西フィルへOp.0715

みなさまこんにちは

関西フィル50周年記念コラム~未来の関西フィルへ Op.0715、
今回は“つれづれシリーズ”として、元数学教師の事務局スタッフの
文章です。

ここまで理路整然と書いてみると、「おぉ…、なかなか…」と
音楽が手強い物に感じられますが
きっと、難しい数式でも表現できる緻密で正確な物なのでしょうね、
普段はほとんど意識していませんが。

でもまぁ、音楽は素晴らしく楽しいものであることに変わりは
ありません
気楽な気持ちでお読みください!!

 

 

 

数学と音楽とは密接な関係があるという話をご存じですか。
その関係について、改めて、調べてみました。

 「ドレミファソラシド」という音階を最初に発明したのは、
「三平方の定理」でも有名な古代ギリシアの数学者、
ピタゴラス(紀元前582年~紀元前496)です。

カピトリーノ美術館(ローマ)のピタゴラス像 

ある日、彼は、鍛冶屋の前を通りかかったときに、
職人がハンマーを打ち下ろす「カーン、カーン」という音の中に
きれいに響き合う音とそうでないものがあることに気づきました。
これを不思議に思った彼は、鍛冶屋の職人のもとを訪れ、
いろいろな種類のハンマーを手に取って調べ、きれいに響き合う
ハンマーどうしはそれぞれの重さの間に、2:1や2:3といった
単純な整数比が成立することを発見します。

 人が美しいと感じる響きの中に、単純な整数比が潜んで
いるという意外性に惹かれた彼は、その後、高さの違う響き
について研究しました。

まず、彼はモノコード(下図)という楽器を発明しました。

 

モノコードというのは共鳴箱の上に弦を一本張って、駒(こま)を
移動させることによって、振動する弦の長さを変えられる装置のことです。

このようなモノコードを2つ用意し、片方のモノコード(モノコードA)の
弦の長さは固定しておき、これを基準とし、
もう一方のモノコード(モノコードB)は駒を動かすことで
弦の長さを短くしていきます。

そうして2つの弦を同時に弾き、きれいに響き合う位置を探し始めました。
すると、モノコードBの弦の長さがモノコードAの半分になったとき、
高さの違う2つの音が重なり合うことが分かりました。
(オクターブです!)

彼はこの発見により、弦をいろいろな長さにして、相性のいい音色を
探そうとしました。
例えば、モノコードBの弦の長さを3分の2にしたときの音色は、
モノコードAの音色と非常に相性が良く、美しく聞こえました。

このようにしてピタゴラスは、弦の長さを調節することで、
1オクターブの中に、相性よく聞こえる複数の音を発見したようです。

「万物は数なり」
宇宙のすべては、数の法則に従い、数字と計算によって解明できるという
彼の思いが、現在の音階の基礎を作り上げたのではないでしょうか。

もし、ピタゴラスが存在していなかったならば、現在のような音階が
存在していなかったかもしれませんね。

 

 

 

現在、この時ピタゴラスが発見した「相性の良い音」の組み合わせに
ついては、無限に広がっているように思います
バロック・古典の音楽から、近現代の作曲家の音楽まで、
音の組み合わせによって生まれる響きの種類の多いこと
昔の人に比べて、これらを全部楽しめる現代の私達は幸せです♪♪
そして今後の、「音楽」の有り方の変化が楽しみですね~。

それではまた「5」の付く日にお会いしましょう!!